終了・報告

【報告レポート】スウプノアカデミア2022「すまいりぃ!笑顔は共通言語!?〜笑いとコミュニケーションのアレコレ」

開催日
2022年10月22日(土)
時間
15:00~17:00
場所
仙台市生涯学習支援センター5階 会議室 及び オンライン(Zoom)
講師
本田椋(俳優、劇団 短距離男道ミサイル 代表)
参加人数
合計23人
<参加者10人(内オンライン2人)、ボランティア2人、見学1人(内オンライン1人)、付添者2名、手話通訳者2人、ゲスト1人、スタッフ5人>
概要
「笑い」は幸せになるために必要な「共通言語」だ!とはいえ、障害の有無に関わらず、共通するものなのか?あるいは人によって違うのが笑いのツボなのか?そんな大きなテーマを、ワークを通して一緒に考えたり話したりしましょう。
テーマ設定者
はん、まい
プログラム担当者
櫻井育子(生涯発達支援塾TANE)

笑顔はどんな人でも幸せな気持ちになるもの、笑うことや笑わせることについて考えたい

今回の提案者は、はんさんとまいさん。このテーマを考えた二人の思いは、
「笑顔はどんな人でも幸せな気持ちになるもの、笑うことや笑わせることについて考えたい」(はんさん)
「手話のジョークを笑っちゃいけない感覚ってどうしてだろう?障害のある人とない人のコミュニケーションについて話したりしたい」(まいさん)
という、始まりでした。

ゲストは劇団短距離男道ミサイルの本田椋さん。演劇で、さまざまな「笑い」について表現するときのことや、演劇のワークで一緒に考えることができたらいいなあ、と話し合いをしました。

「笑いとコミュニケーション」

さて、当日です。
まずは、はんさんとまいさんの「コント」で始まりました。ふたりが打ち合わせて考えていた台本通り、、、と思いきや、なんと緊張でふたりとも、その場で「即興」だったとか。ここで「思わず笑ってしまった」とまいさん。みんなもそのふたりのやりとりに、つられて笑ってしまいました。「聞こえないまいさんと、手話が通じないはんさん」という二人が、やりとりをします。覚えた手話が「ちがう!」というオチ。そして、「笑いとコミュニケーション」がテーマであることをみんなと共有しました。

自然と笑いが起きるのが心地良い

さていよいよ、本田さんのワークです。はじめに、お話ししてくれたことは、「笑いはリラックスしたときに出る」というお話でした。そこで、みんなでゆったりした気持ちになるための「あくび」をします。声を出したり、表情を変えたり。どんどん、みんなの緊張もほぐれていきます。

ほぐれたあとは、「ひとりの動きをまねっこする」というワーク。普段はしないような変なポーズや、表情などもまねすると、自然に笑いが出てきます。もちろん、「ちょっと恥ずかしい、、、」というためらいの感情も、生まれます。

そして、「笑いたいわけではないのに笑ってしまう」という、「スローモーション鬼ごっこ」をしました。実際に鬼が、笑いながら追いかけてきて、タッチされた人は笑いが伝染してどんどん笑っている人が増えていきます。
実際には、「面白くて笑う」「怖いから笑う」「みんなが笑っているから笑う」「よくわからなくて笑う」「笑わなきゃいけないから笑う」など、それぞれがもしかしたらいろんな「笑い方」があったかもしれません。「意識して笑う」という体験です。

伝わるか伝わらないかではなく伝えようとするか、受け取ろうとするか

そのあとは、グループに分かれて、感想や、コミュニケーションについて感じていることを語る場を作りました。そこでは、それぞれ話題に出たことを聞き合ったり、ちょっと話しにくかったり、難しかったりということもありましたが、「デフジョークを笑えないのは差別してはいけないと思い込んでるから」「分からないことを分からない、と言い合えたらいい」「リラックスできる関係というのが心地よい」「伝わるか伝わらないかではなく伝えようとするか、受け取ろうとするか」といった話題が出ていました。

スウプノレコード

・笑顔は尊い
・笑うことは体力を使うが、意識して笑うと気持ちもつられて楽しくなることを身をもって感じました。
・自分を解放して表現することの大切さも感じることができました!!
・冒頭のコントが面白くて、新しい手話も沢山あり、覚えられそうだな~と思いました。
・「笑い」を見るのは好きでも、自分でやるのは恥ずかしさがあって難しいと思っていましたが、体をほぐして、とりあえず動いてみるとだんだんリラックスして楽しい気分になったのと、ここでは安心して何をしても大丈夫という空間にいることで、自然と笑いが起きるのが心地良く、そういう「外からほぐす」というのも大事だなと体感できました。
・笑いについてこんなに真剣にお話しできて、みんなに緊張することなく、ディスカッションもできたので、この機会に参加させていただいてありがとうございます。より自分に自身を持てることができました。

テーマ設定者とプログラム担当者の振り返り

・まいさん(テーマ設定)
聞こえる人と聞こえない人で笑いのツボが違うんじゃないかと思い、(はんさんと)やってみようかという話になりました。
聞こえない人が私だけでしたが、やってみると笑いって言語関係ないなって思いました。聞こえる・聞こえないで感じ方、笑いのツボは違うが、笑うことはみんな一緒だと思いました。ありがとうございます。
当日、情報アクセシビリティの話をさせていただいたが、こういう楽しいワークショップの中でかたくなく話ができるようになればいいなと思う。

・はんさん(テーマ設定)
人の笑顔を見るのが好きで、今回のテーマを提案しました。
まいさんは、コミュニケーションの大変さを抱えてらっしゃって、二人でやってみようかという話になりました。
(このワークショップは)笑いだけじゃなくて本田さんに自信をふるいたたせてくれるようなワークショップでした。

・櫻井育子(プログラム担当/生涯発達支援塾TANE)
まいさんから「障害のある人への情報の保障は、障害のあるなしにかかわらずあたりまえに、大事なこと。」という話がありました。この日は、「わかる」「わからない」ではなく、「笑うこと」を共通の体験として、たくさんの笑顔を見ることができました。参加者からの声として、「もっとワークをしたかった」という声もあり、動いてみて体験して感じること、感情がいろいろ動くからこそ、気がつくことがあるなあと思いました。

「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」
[リンク | 内閣府]


レポート:櫻井育子

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