終了・報告

【SOUP報告10】調査・発掘、評価・発信事業

■調査・発掘、評価・発信事業

事業の実施にあたり、モデル事業で必須とされる「調査・発掘、評価・発信委員」を設置しました。
学芸員、フリーランスのキュレーター、研究者、ライター、事務局スタッフから構成し、委員会では次の点を確認しました。

【調査・発掘】
●全県アンケートを実施し、これまで出会ったことのない作家や支援者の情報を得ること。
その内容は、障害のある生徒・学生、社会人が、いつどこでどのような活動をしているのかを
把握する「活動状況調査」、特筆される作家・作品・活動を発掘し活動の発展につなげるための
「作家・作品調査」の二つの軸とすること。
●アンケートの結果から、特筆すべき作家や活動団体を訪問しヒアリングすること。また訪問先の抽出にあたっては、可能な限り異なるスタイルの学校、福祉施設、個人を訪問し、障害のある人の芸術文化活動を取り巻く現状を丁寧に観察すること。また、これまで訪問したことのない現場に積極的に足を運び、新しいネットワークをつくること。

大竹徹祐さんの大小さまざまな作品

タブレットで制作するわらしべ舎西多賀工房のみなさん
©三浦晴子   

【評価・発信】
●優れた作家・作品とは何か。その評価軸を設定し、作家・作品を選ぶこと。あわせてその作家・作品を生み出した環境、作家・作品を介した社会への波及などにも眼をむけてその価値についても評価を行うこと。
そして、障害のある人が芸術文化活動の機会を享受するためには、何が不足しているか、その解消のためにはどのような仕組みやプログラムを整備するべきか、課題解決のための視点や仕組みの提言をすること。
●展覧会で発信するとともに、ウェブサイトで作家・作品の公開をめざすこと。また調査・発掘、評価・発信の内容を報告書にまとめ、紙面およびウェブサイトで公開すること。

【調査・発掘、評価・発信委員】
学芸員、アートディレクター、ライター、研究者、NPOの分野から6人の評価委員会を設置し、年間3回の調査・発掘、評価・発信委員会を開催しました。

薄井真矢:せんだいメディアテーク学芸員(公益財団法人仙台市市民文化事業団)
古山周太郎:東北工業大学ライフデザイン学部安全安心生活デザイン学科准教授/一般社団法人邑サポート理事
鈴木理恵子:女子美術大学准教授
高橋創一:編集、執筆、その他/障害者の芸術活動支援モデル事業@宮城 編集・ライター
三浦晴子:フォトグラファー、キュレーター/障害者の芸術活動支援モデル事業@宮城 アートディレクター
柴崎由美子:特定非営利活動法人エイブル・アート・ジャパン代表理事

●調査の内容
(1)アンケート調査
宮城県内学校、福祉施設等に郵送、メールで合計782件配布。
(2) 訪問調査、発掘
2016年11月から2017年2月の間で、特別支援学校1、高等学園1、特別支援学級1、福祉施設4、
個人5カ所を訪問、ヒアリングしました。

©三浦晴子

●評価・発信の内容
・①現代アート(作品・表現の評価)、②作品の売買(美術市場など)、③二次利用(商用利用など)、④環境、これら4つの視点を評価軸とし、作家・作品・活動の評価を実施しました。
・アンケートの【第2部】「作家・作品調査」に記載した人、訪問調査で見聞した人と合計48人から、最終的に22人の作家を選定しました。
・原画を集荷し、作品を撮影・スキャンしてデジタルデータを作成。
また、創作活動のきっかけ、様子、発表履歴を集め、それを編集してプロフィールを作成しました。
あわせてウェブサイトで公開。⇒こちらから【SOUP宮城の作家】

バナー:障害者芸術文化活動普及支援事業(厚生労働省)
バナー:ABLE ART JAPAN
バナー:Able Art Company