終了・報告

【SOUP報告3】表現するこころ・からだを育てる カメラ編@仙台

開催日
2016年12月07日(水)
場所
コニカミノルタジャパン株式会社 東北支店
対象者
みえない人・みえにくい人、みえる人(介助者含まず)
協力
コニカミノルタジャパン株式会社東北支店
株式会社ニコンイメージングジャパンニコンプラザ仙台
ファシリテーター
クロスロードアーツ [Crossroad Arts]
スティーブ・メイヤーミラー [Steve Mayer-Miller] (クロスロードアーツ芸術監督・CEO)
ブレンデン・ボレリーニ [Brenden Borellini] (写真家/クロスロードアーツ・メンバー)

取り組みのねらい
2014年から取り組んできた宮城の視覚障害のある人たちとの鑑賞と表現の活動を経て、視覚障害を持つ人たちから、写真を撮りたい、表現、発表したいという声をうけました。
そこで活動のきっかけになったオーストラリアの盲聾の写真家と彼をサポートしている団体をお招きし、ワークショップを企画。
これをきっかけに環境を整備し、視覚障害のある人たちが継続的に表現活動を行えることをめざしました。


実施内容
ワークショップのタイトルは「WALKING IN SOMEONE ELSE'S SHOES ─誰かの靴を履いて歩く」。
参加者は 会場に入る前にアイマスクをつけ(視覚障害のある参加者はそのまま)、くだものや野菜を持って感じる香りや味、手触りから導き出される過去の記憶について語りました。
その物語を一眼レフカメラを使い、写真として表現しました。最初に、誰かの靴を履いて歩いた経験を思い出しながら、自分の靴、もしくは他の誰かの靴の写真を撮影。


次に、参加者は サポートの大学生や介助者と一緒に街に出て、写真を撮りました。
最後にペアになって、会話などで互いの存在を確認してから相手を撮影しました。
ここで撮影した写真は、立体コピー写真として出力し、触って凹凸(おうとつ)を感じながら鑑賞しました。



成果
参加者からは「目がみえなくなっても、こういう世界で表現できるのだということをしあわせだと思います」といった声がきかれました。
これまでの活動を通して、視覚障害のある 人たちに表現活動をしようと呼びかけても、新しい体験の情報を得ること、外出することそのものにも、たくさんの壁があることを知りました。
そこで可能な限り、彼らを支える支 援者との関係づくりや情報共有をすすめ、その過程で地元企業の協力を得て、社員のみなさんが印刷のサポートを行うなど、積極的にこの活動に参加しました。また、地元の大学生も参加者 兼サポーターとして多数参加しました。
2017年1月には、作品やワークショップの記録動画をニコ ンプラザ仙台で展示し、活動を発信しました。
このワークショップは、言葉でのコミュニケーションが通じにくい場でも、五感を使うことで互いにわかりあうことができ、障害があっても表現ができるということを体験しました。
その人の障害を知り、一方で活動を阻害する”障害”を明らかにし、問題をとりのぞいていくことが大切です。

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