終了・報告

報告レポート スウプノアカデミア2025 11月プログラム『新発見・再発見!北仙台を気ままに散歩』

時間
午後1時~3時(午後0時40分から受付)
場所
北仙台エリア 集合・解散:JR仙山線「北仙台駅」改札前
(〒981-0912 宮城県仙台市青葉区堤町1丁目1)
参加人数
19人(参加者12人、ボランティア2人、ゲスト2人、スタッフ3名)
概要
ふらりとまちを歩いて、たまたま見つけたカフェでお茶したり、
時にはお店の人に話しかけて「こだわりは?」なんて質問をしてみたりしながら
気の向くままにまち歩き。
今回の行き先は、北仙台エリア。
JR北仙台駅をスタートして、レトロな商店街や大通り、飲食店をめぐりながら
人との会話を楽しむまち歩きをして、まちの魅力の新発見と再発見をしてみます。

発案者:星さん、シュウさん
プログラム担当者:鎌田貴恵子

1. まち歩きプログラムができるまで

プログラムの発案者の星さんは、ひそかにタレントの高田純次さんに憧れを抱いていました。「ぱっと流れるように言葉が出てきて、イヤミのない接し方がスゴい。テキトーなところがとにかく好き」と話します。そんな高田純次さんへのリスペクトから、6月のまなびを考える会では「(テレビ番組の)じゅん散歩みたいなことがやってみたい」と発表しました。

学びを考える会で、「●●に行きたい!」「みんなでお出かけがしたい!」と発表した人はほかにも複数いました。そのうちの一人が、今回のもう一人の発案者となったシュウさんです。
そんな2人の発案者を中心に、11月のまち歩きプログラムに向けて9月から作戦会議がスタートしました。

2. まち歩きのプロ「風の時編集部」さんと一緒に作るまち歩きプラン

星さん・シュウさんの思いに応え、一緒にプログラムを作るところから協力してくれたのが、 “仙台の原風景を観る知る”をテーマに2005年に「風の時編集部」を立ち上げた佐藤正実さんです。仙台市の昔と今の街並みやその歴史に詳しく、さまざまなまち歩きプログラムも実践しています。

10月6日、発案者とゲストが初めて顔を合わせる作戦会議を実施。「風の時編集部」のスタッフ・奥村志都佳さんも加わり、「まち歩きでどんなことがしたいのか」について、ざっくばらんに話し合いました。

視覚障害があり、普段は慣れた道しか歩かないという星さんにとって、大切なことは「どこへ行くか」ではなく「何をするか」。「特別な場所じゃなくていい。ぶらっと歩いて商品を手に取ったり、そのまちの人に話しかけたり。目的地よりも、その場のコミュニケーションを楽しみたい」という思いを話しました。

一方のシュウさんには、学生時代にやり残したことをやりたい!という思いがあり「変わったお店に入ってご飯を食べたり、みんなで楽しめることがしたい」と話しました。


それぞれのやりたいこと、行きたいところを話し合い、今回の行き先は、北仙台と上杉エリアに決定。星さんにとっては昔よく行った場所で、シュウさんにとっては最近よく行く場所だという、2人にとってのゆかりの地です。「星さんの思い出がシュウさんの新発見になるはず」といった佐藤さんの言葉がとても印象的でした。

3. 11月24日(月・祝)はお出かけ日和!

天候に恵まれ、お出かけ日和となった当日。
集合場所のJR北仙台駅改札前には、受付開始の12時40分より10分以上も前から参加者たちが集まり始めました。いつもの顔ぶれに参加者同士で会話が弾む様子や、1年以上ぶりに参加する人との再会をよろこぶ様子など、プログラム開始前からさまざまな人間模様が見えました。

そして今回は定員に対して多くの参加申し込みがあったため、「北仙台まち歩きチーム」とは別に「お茶と土産話を聞く会」も結成。参加者・ボランティア・スタッフの総勢19名が集まりました。

4.いよいよまち歩きがスタート!

はじめに、プログラムの流れを説明し、みんなで自己紹介タイム。発案者からも一言ずつ、今日のプログラムに込めた思いを語ってもらいました。
最後に今日のルール「安全に楽しく遊ぶ!」を胸に刻み、いよいよ北仙台まち歩きへ出発です!

ここからは「北仙台まち歩きチーム」と「お茶と土産話を聞く会」が別々のルートで最終目的地「眞野屋」さんのカフェを目指します。

<「北仙台まち歩きチーム」のルート>
・北仙台駅を出発
・セブンイレブン仙台1号店を発見
・仙台浅草を散策
・仙台浅草のレトロな洋菓子店「ガトーかんの」さんでお土産ショッピング
・歩道橋を渡り愛宕上杉通りへ
・食のセレクトショップ「眞野屋」さんのカフェでティータイム&感想の共有
・解散

「北仙台まち歩きチーム」は、北仙台の古い地図を片手に大通りへ進みます。配られた赤いシールを、まち歩きで「気になったところ」に貼っていきます。

「この通りは昔、市電(路面電車)が走っていました」
と佐藤さんがガイドをしていると、通りすがりの男性が
「子供の頃に市電に乗ってました!当時は子供10円、大人20円でしたよ」と参戦。
早速、町の人との交流が実現しました。
ほかにも、北仙台駅前のセブンイレブンは仙台一号店で、かつてはお風呂屋さんだったこと、北仙台駅の駅舎は開業当時のままだということなど、みんなの知らない町の歴史を知りました。

5.レトロな商店街「仙台浅草」へ

飲食店が軒を連ねる、レトロな雰囲気の商店街「仙台浅草」も歩きました。
「線路の上を歩きましょう!」とみんなに呼びかける佐藤正実さん。この商店街は、以前は仙台鉄道が走っていたそうで、道のカーブはその名残なのだとか。

昔ながらの洋菓子店「ガトーかんの」さんにもおじゃましました。北仙台に馴染みのある星さんとシュウさんも初めて入るお店だそうです。
「創業何年ですか?」と質問したり、創業当時からあるサブレや、事前にリサーチした人気のレモンケーキなどの焼き菓子をお土産に購入したりして、お店の人との交流を楽しみました。

「この飲み屋さんおすすめです!お刺身がおいしいですよ」
と行きつけのお店を紹介する参加者も。みんなで情報交換をしながら、にぎやかに商店街を歩きました。

6.「上杉」という地名の由来は!?

商店街を出て、イチョウ並木のきれいな愛宕上杉通りへ続く歩道橋へ。「歩道橋を渡るのは初めて」という人が多く、人が歩く振動で橋が揺れる感覚にそれぞれ驚いたり楽しんだり。

歩道橋の途中、佐藤さんが台原の方向を指さし
「あのドン・キホーテの手前に見える、こんもりとした杉山が『上杉(カミスギ)』という地名の由来です。仙台藩のお城に近い場所から上杉山通り、中杉山通り、杉山通り、と呼んでいました。昔はこの杉山を守るために御杉守(おすぎもり)という人たちもいました」と教えてくれました。
佐藤さんによるガイドを聞いて、参加者のみんなからは「へえ、知らなかった!」「すごい」「なんでカミスギというのか気になっていたけど、そういう由来があったのか」と感動の声があがり、この日いちばんのハイライトになりました。

7.みんなでカフェタイム

プログラムの最後は、食のセレクトショップ「眞野屋」さんでカフェタイム。スーパーやレストラン、ベーカリー、カフェなどが集まった複合施設で、今回はそのなかのカフェを利用しました。
ここで、一足先にカフェに到着していた「お茶と土産話を聞く会」の参加者たちと合流。コーヒーやスムージーなどのドリンクや、ケーキ、プリンなどのスイーツを思い思いに楽しみながら、今日発見したこと、体験したこと、楽しかったことなどを共有しました。

「普段はあまりお菓子を買わないから、たまにはと思って買いました」
「ネットで調べて有名だと知ったレモンケーキを買えてよかったです」
「北仙台は初めて来たけど、想像していたよりも背が高い建物やお店が多く、栄えている印象」
「2か月前に北仙台に引っ越してきたばかり。今日は地図をみながらレアで楽しいまち歩きをして、北仙台がもっと好きになり、まち歩きの楽しさを知りました」

それぞれが今日の振り返りと感想を語り合い、「新発見・再発見!北仙台を気ままに散歩」のプログラムを終了しました。

8.振り返り スウプノレコードより抜粋(参加者の感じたこと・学んだこと)

・地図を見ながらまち歩きを初めてして、たのしかった。歴史がすきなのでどの説明も興味深かった。杉山を歩道橋からみて、かんどうした。

・仙台浅草という場所を初めて知って、おどろきました。

・カフェののみ物がおいしかったです。プリンがうまかったです。

・思いがけない発見や気づきがたくさんあった。本当に楽しいひと時でした。学べたことは、自分が「不思議だな、なぜだろう?」と思ったことをすぐに解決できなくても、心の中でその疑問を温めておけば、いつの日か思いがけなく答えが提示されるから、焦らないで待っていれば良いのだ」ということを実感できたこと・・・でしょうか。また、「私はこれからも今の場所で、自分の思うように生きてよいのだ」と改めて思うことができました。

9.ゲスト「風の時編集部」さん(佐藤正実さん・奥村志都佳さん)のコメント

「新発見・再発見!北仙台を気ままに散歩」では、大変お世話になりました。
暑くも寒くもなく、この時期としては絶好の北仙台界隈のまち歩き日和でした。
企画者の星さん、シュウさんの“ぶらぶら歩いて、ふれあいを楽しみたい”という思いに応えられるか気がかりでしたが、ふり返り会の際に参加者の皆さんから「夜しか通らない横丁の昼の顔を見てわくわくした」ことや「地図を持ってまちを歩く楽しさを知った」という嬉しい声を聞けてホッとしました。
みんなで線路跡の横丁を歩いて、お菓子を買って、コーヒーを飲んで、あっという間の2時間。スタッフ・ボランティアの皆様、そして、参加者の皆様と一緒にぶらぶらしたまち歩きはとても楽しい時間でした。ありがとうございました。

10.テーマ発案者とプログラム担当者の振り返り

●星さん
感動しっぱなしでした。地元なのに、知らないことばっかり。いっぱい教えてもらって、刺激的でしたね。いちばんは、上杉山の由来。小さいころから「なぜウエスギではなくカミスギなの?」と気になっていて、なんでかなって、ずっと33年間悩んでいたんです(周りから「年齢と計算があわないよ!」とツッコミが入る)。計算は怪しいんですが、今日初めて由来を知って、感動しました。感動の連続で、ボケる暇がありませんでした。
今日は一人一人の小さな力が大きな感動を呼んだと思います。ちょっとした出会いが積み重なっているな、偶然はないんだなと感じるプログラムでした。
もう一度やりたい!中杉も歩いてみたいです。今日はとにかく楽しかった、びっくりした、内容がとてもよかったです。新発見・再発見がサイコーでした!

●シュウさん
今日は初めての人とも交流できて、ふれあえてよかったです。佐藤正実さんの解説で、北仙台の路面電車や仙台浅草の鉄道のことがわかってよかったです。歩道橋からみた杉林の場所、昔の写真や路面電車が走っていたり、面影などが知れて、とても勉強になりました。
「ガトーかんの」も初めて入りました。眞野屋で、みんなで振り返りをして、お茶などを飲んで、楽しい時間を過ごせました。


●鎌田貴恵子(プログラム担当者)
発案者2人のゆかりの地・北仙台と上杉エリアで行った今回のまち歩きは、お互いにとって、そして参加者みんなにとっても、新発見と再発見のあるプログラムになったと思います。
佐藤さんによる解説で、地名の由来や昔の街並みを知ったことはもちろんですが、参加者たちが「このお店がおいしいよ」「このメニューがおすすめ」などと自分たちの知っている情報をシェアできたことも、新発見と再発見になったと思います。
また、プログラムの最後にカフェでの振り返りと感想を語り合う時間でのこと。「カミスギの由来を、今日初めて歩道橋で教わって、感動」と語る星さんに「名前の由来はなんでしたっけ?」と尋ねると「ちょっと忘れちゃった!」とひとボケ。笑いが巻き起こった瞬間でした。「タレント・高田純次さんみたいにボケてみたい!」と言っていた星さんが、今日の終わりにみんなの前でボケることができて、本当によかったなと思います。
そして、みんなでぞろぞろ商店街を歩いて、お土産を買ったり、カフェに入ってお茶したりしたことは、個人的にもとても楽しい時間となりました。みなさん、ありがとうございました。


レポート:鎌田貴恵子(NPO法人エイブル・アート・ジャパン)

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