
終了・報告
【レポート】こどものアトリエつくるて(9月)
こどものアトリエつくるて(開催概要)
日時:2025年9月27日(土)10:30-12:00
会場:日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)2階アトリエ
参加者:11人
ファシリテーター:おりがみくん、佐竹真紀子
情報保障:手話通訳、筆談
今年度の新しい取り組みとして、小学生から中学生を対象とした「こどものアトリエつくるて」を開催しました。
当日の活動の様子と併せて、いつものアトリエとは違う場のつくり方について、ファシリテーターとスタッフがどんな工夫をしたかもお伝えしたいと思います。
はじめての画材
いつもの「アトリエつくるて」は色々な画材を使っていますが、「こどものアトリエつくるて」では、子どもが扱いやすいものという視点で、画材や道具の種類を絞ることにしました。
弱い力でも描きやすく鮮やかな発色の「テンペラクレヨン」をメインの画材とし、色鉛筆やマジックペン、柔軟性のある巻き段ボール、色画用紙や折り紙、毛糸や紙テープなどの工作材料、子ども用のハサミと小さいスティックのりも用意しました。
また、事前に画材をお知らせしたのは、どんなことをするのか見通しをもてるようにという理由もあります。
「テンペラクレヨン」は初めて使う子が多く、その滑らかな描き味を楽しんでいるようでした。
色を重ねることもできるので、1枚の画用紙に好きな色をどんどん塗り重ねていた子は、まるで絵の具で描いたような複雑な色味の作品を完成させました。
段ボールを切り抜き、好きな食べ物を作った子の作品は、塗り重ねたテンペラクレヨンの質感がしっとりとして美味しそうに見えました。
今回、参加した子どもたちは、日頃から絵を描いたり工作好きな子が多かったようですが、はじめての画材にふれることで興味を持って取り組み、創作意欲も高まっていたように感じます。
▼当日用意した画材(右手前にあるのが「テンペラクレヨン」)


同じ場所で同じ時間を過ごす
今回の会場は「日立システムズホール2階 創作室」でした。
理由は、室内に水場があること、汚れ対策としてカーペット敷ではないこと、親子での移動を考慮し、施設に駐車場があり公共交通機関でアクセスしやすい場所を選びました。
創作室の隣の部屋も借りて、活動中に疲れたり、気持ちを落ち着かせたい時に休むことができるカームダウンスペースとして準備しました。
活動スペースは、ビニールシートを敷き、靴を脱いでつくる場所と、椅子に座って机で描く場所と2つに分けることで、賑やかな場所でみんなと一緒に活動する子と、創作に集中したい子が、同じ部屋にいながらそれぞれが過ごしやすい場をつくることができたと思います。
ビニールシートのスペースでは、大きな段ボールを使ってダイナミックな作品をつくる子もいました。
少し狭く感じたかもしれませんが、距離が近いことで「みんなは何をつくっているのかな?」と様子を気にしたり、「ぼくもこの画材をつかってみたい!」と刺激を受けながら
それぞれが自分のペースで作品づくりに取り組んでいました。
▼それぞれの材料を広げて床や机で描く、つくる



視覚的アプローチとやさしい言葉
いつもの「アトリエつくるて」の活動時間は、約2時間30分ですが、「こどものアトリエつくるて」は、子どもが集中して取り組める時間を考え、みる時間も含めて1時間30分としました。
活動中も確認できるよう、タイムスケジュールに時計のイラストを添えてホワイトボードに書き出し、画材の説明や活動中のお願い事は口頭ではなく、色画用紙に簡単な言葉とイラストを描き、ファシリテーターのふたりが紙芝居のように見せながら子どもたちに伝えました。
その際、「〇〇はダメ」という否定的な言葉は使わず、「みんなのやくそく」として共通のルールを伝えたことで、子どもたちも理解し協力しながら安全に活動できたと思います。
▼ファシリテーターが短い言葉で流れを書いた色画用紙で説明している様子


創作を通じた交流
いつものアトリエでは、子どもから大人まで幅広い年齢層の人が一緒に活動することで普段はあまり関わることのない人同士が交流し、様々な表現に触れる機会になっています。
今回は、子どもたちの年齢が近いこともあり、他の参加者に興味を持ったり共感する場面が多く見られました。
好きなゲームや動画など共通の話題で盛り上がる小学生の男の子たち。その交流が相手の表現に興味を持つきっかけになったかもしれません。
みんなで見る時間では、どの子も誇らしげな表情をして作品を見せてくれました。
他の子の作品に興味津々で、もっとよく見たくて近くまで移動する子もいました。
段ボールでつくったハンバーグやチョコレートを他の子が食べる真似をしたり、段ボールに付けた紐を触ってみたり、目で見るだけでなく体験として相手の作品を見ているようです。
参加者11人の内、初参加は7人。ほぼ、はじめまして同士の子どもたちでしたが、お互いの違いを意識せず、一緒に活動する仲間として自然に関わっている姿が印象的でした。
子どもたちは、創作活動を通じて自分を表現するだけでなく、見て、触れることで相手の気持ちを感じ取っていたのかもしれません。
短い時間でしたが、子どもたちと一緒に様々な表現の面白さを体験できたことで、創作過程を楽しむことの大切さを感じました。
レポート:伊藤いづみ(NPO法人エイブル・アート・ジャパン)
▼みる時間の様子(それぞれのつくったものに興味津々!)


感想コメント(文:おりがみくん)
昨年度に続き今年もファシリテーターとして企画に参加させていただきました。今回は普段のアトリエでもおなじみの佐竹真紀子さんと一緒に、小学生から中学生までの子どもたちを対象にした内容で制作活動のお手伝いをさせていただきました。
今回は初参加の方がほとんどのため、説明する内容に対して活動のイメージをつかんでもらえるかが不安でしたが、開始早々、画材や素材を見つけるなりすぐに制作に取り組みはじめ、今回用意した“テンペラクレヨン”や色鉛筆など、いろんな画材を使い分けながら絵を描く子、大きな段ボールをたっぷり使って工作する子など、各々が自然と楽しみ方を見つけてのびのびと活動する姿があり、私も一緒になって制作しながら楽しく過ごしました。また、保護者の方もただ見守るだけではなく、細かな作業を手伝ったり、本人の発想を促すようなコミュニケーションをとる様子がとても印象的で、全体を通してよい空気感の中で進行できたかなと思います。
今回のアトリエでは子どもたちの発想の豊かさや行動力にとても驚かされました。昨今では自由に制作が行える環境が減ってきている中、作ることや表現することの楽しさを知っている子どもたちがたくさん集まったことがとても嬉しかったです。
また、今回はいつもと場所や内容を変えての開催ということで「どんな子たちが集まるのか」「画材や道具はどれくらい必要か」「注意すべきことはなにか」といった擦り合わせをじっくり行ったからこそ当日もトラブルなく終えることができ、改めて事前準備の大切さを痛感しました。当日の活動を共につくった佐竹さんやスタッフ、ボランティアの方と連携できたこともよかったです。




