終了・報告

【報告】ワークショップ「ブリコラージュ-あつまってつくる-」

開催日
2025年01月12日(日)
時間
①10:00-12:00 ②14:00-16:00
場所
水戸芸術館 現代美術ギャラリー内 ワークショップ室 (住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8)
対象者
茨城県内の障害者支援に関わる方、当事者の方
参加費
無料
共催:公益財団法人水戸市芸術振興財団
企画・運営協力:ROKUROKURIN合同会社

シルクスクリーンの手法を用いて自由に!楽しむ!ワークショップ。BOB ho-hoのおふたりと、"それぞれでつくる⇄みんなでつくる"を行ったり来たりしながら、身の回りのものに模様をプリントします。絵が描けなくても工作が苦手でも、どんな人でも参加できます。作品を作ったあとは、BOB ho-hoがこれまで行ってきたプロジェクトや商品化の事例など、四方山話で交流しましょう!

 1月12日日曜日、水戸芸術館を舞台に、BOB ho-hoをゲストに迎えワークショップを開催しました。本ワークショップは、厚生労働省が実施している障害者芸術表現活動支援事業の南東北・北関東6県の支援センターを統括する広域センターであるNPO法人エイブル・アート・ジャパンと水戸芸術館を運営する公益財団法人水戸市芸術振興財団との共催でおこなわれました。

 BOB ho-hoは、ボブさんことウエダトモミ(グラフィックデザイナー)とホシノマサハル(摺師)からなるユニットです。浜松市を拠点に、世代や立場に関わらない多様な人たちや企業に至るまで、社会のさまざまな場所でワークショップやコラボレーションを行っています。とにかく自由!で、何でもあり!のワークショップは、制作の楽しさはもちろん、境界を超えた関係性が生み出され、解放された場を作り出していきます。

 本ワークショップ「ブリコラージュ-あつまってつくる-」では、シルクスクリーンの手法をつかい、①それぞれの持ち寄ったものでつくる。②BOB ho-hoと水戸芸術館が準備したものでみんなでつくる。を軸に展開していきました。ブリコラージュとは、ありあわせの手段や道具でやりくりする、その場にあるもの、その状況でつくりだす、というような意味があります。


BOB ho-ho がつくりだす、即興のアトリエのような会場

ボブ(ウエダ)さんによるレクチャーみんな食い入るような目で真剣。

布、紙、ガラス、木、壁・・・・
編まれた複雑なものにもシルクスクリーン
そんなものにもできるんだ!とみんな目を輝かせていました。

さあ、いよいよみんなでブリコラージュ!スタート

 BOB ho-hoのアトリエに迷い込んだような会場に、参加者のみなさんもはじまる前から盛り上がっていました。ボブさんのレクチャーのあと、それぞれが自然と創作モードに入っていきます。インクの洗い場、版を乾かす場、版置き場、日常では触れられない数の色のインクを選択する場・・・。ボブさん、ホシノさん、参加者同士で話をしながら、ワイワイガヤガヤ模様や色を選んでいきます。

みなさんすごい勢いで、どんどんつくる・・・!

 それぞれの持ち寄ったもので、次々と好きな模様をつけていきます。この模様は、BOB ho-hoのシルクスクリーンの型たちです。100個近くある!?のではというたくさんの種類から選んでいきます。同じ模様を使っていても、色や配置で全然違うものにみえるのも不思議です。そして、どの模様や色を組み合わせても、すべてが魅力的!

少し経つと、みなさんが会場をぐるぐる歩き出して・・・
シルクスクリーンの型のシェアがはじまりました!

同じテーブル同士で影響の連鎖が起こっていくのもおもしろい!

テーブルから離れ、会場のいろいろな場所でブリコラージュが行われていきます。

みんなのアイデアをシェアしながら、どんどん、どんどんつくります。 

 自分だけの作品をつくっていたと思ったら、いつの間にか、誰が何をつくっているのかわからなくなってきました。隣の人と交換していたり、会場にある誰のものかわからない素材たちにも、どんどんブリコラージュしていきます。いろいろな境界線が変化したり、なくなったりしていく空間は居心地も良く、みなさんの交流も自然に起こっていきました。


ついには・・・着ている服にも!

はいていた靴も素材に!

こちらでは素敵なお財布が誕生!

いつの間にか、身につけているものたちもカラフルに彩られていきます。自由でなんでもあり!な気持ちが感染していきます。


シルクスクリーンの型は使うたびにきれいに洗って乾かします

時間が経つにつれ手際がよくなっていきます

1時間以上経っても手もアイデアも止まりません

 そして、あっという間にワークショップも終わりの時間です。みなさん、たっぷり1時間半、ブリコラージュをし続けました。2022年から、主にオンラインで実施されてきた茨城県の支援センター事業。この日は、オンラインで会っていた皆さんがオフラインで改めて出会う日でもありました。数えられない作品たちはもちろん、出会いそのものやそこから生まれる四方山話も、ブリコラージュの一部となりました。ライブ後の残響のような余韻で、ワークショップ後も対話が続いていました。


 今回のワークショップには、福祉施設や福祉に取り組む団体や個人、その利用者、障害と表現の関係に興味を持っている方など、さまざまな立場の方が参加してくださいました。終了後は、「力がなくても、苦手意識があっても、誰にでもできるのが最高だった。」「ズレや失敗かと思うことが、最後にはかっこよくなってしまう。」「偶然性を心から楽しめた。」「解放感で癒された。」といった多くの感想をいただきました。

レポート:ミヤタユキ(ROKUROKURIN合同会社)

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