
終了・報告
【レポート】アトリエつくるて2024④(10月26日開催)
「アトリエつくるて」は、障害のあるなしや年齢にかかわらず、だれでも参加ができて、自由に創作を楽しむことができるオープンアトリエです。
現在は、参加者の創作を見守り、ともに表現を楽しむ「ファシリテーター」として、美術作家の佐竹真紀子さん、アーティストのしょうじこずえさんと一緒にこの場をつくっています。
今年度は、アトリエつくるてのようなオープンアトリエの活動をともに考える仲間が増えたらいいな、また参加者のみなさんが新しい表現や制作方法に出会う機会になればいいなという思いから、10月・11月・12月のアトリエに、美術や造形にかかわるアーティストを一人ずつ「ゲストファシリテーター」に招いて開催してきました(ゲストファシリテーター紹介)。
10月・11月・12月のアトリエレポートでは、ゲストのみなさんが初めてアトリエに参加して感じた感想コメントを中心に、その様子をお伝えします。
10月のアトリエ
今年度から、アトリエの活動場所は「上杉コミュニティ・センター」1階の大広間に変わりました。大きな窓から上杉公園の木々がよく見えるカーペット敷きの部屋です。
この日は11人の参加と付き添いの人やスタッフもふくめ、20人ほど大広間に集まりました。10月に入りすこし肌寒くなってきましたが、ノースリーブで参加する人、途中で公園に遊びに出かける人もいました。
10月のゲストは「おりがみくん」です。普段は紙や草などの材料を使って、いろいろなものづくりやワークショップを行っています。しょうじこずえさんが参加するせんだいメディアテークの「ワケあり雑がみ部」の部員としても活動しています。
この日はファシリテーターのこずえさんからおりがみくんの紹介があり、おりがみくんは、自宅でつくってきたという紙の作品をふたつ見せてくれました。紫色の厚紙でできた蛇腹のオブジェのような作品と、いくつかのパーツが組み合わさっていて動かすと形が変わっていく不思議な作品です。
しょうじこずえさん(左)とおりがみくん(右)
おりがみくんは9月のアトリエにも見学者として参加していたのですが、手元に紙を持ち、なにかを作りながら歩いてみなさんの机をまわる様子が印象的でした。この日も紙を手にしながら参加者の机をまわり、自然にみなさんと打ち解けていったようでした。
参加者の中にも折り紙を持ってきた人がいて、折り紙の切り絵やおりがみくんと一緒にバラの花をつくったりしていました。その日の最後にお互いにつくったものを見合う時間では、「折り紙を最後まで折るのは大変だけど、一緒にやると楽しい」という感想もありました。
おりがみくんと一緒に折り紙でバラの花を作っている様子
ここから、おりがみくんの感想を紹介します。
「アトリエつくるて」に参加してみて(文:おりがみくん)
当日は私も含め初めて参加するという方や、昨年度以来久しぶりに参加するという方もいらっしゃいましたが、スタッフやベテランの参加者の方々が温かく迎えていただき、安心して輪の中に入ることができました。私も前日に夜なべして作った(笑)おりがみや材料などを持ち寄って一緒に活動しながら皆さんの制作の様子を眺めておりましたが、皆さんが描くものや使う画材、その使い方もいろいろで、継続してじっくり制作を行う方もいれば、ハイペースに何枚も描き上げる方もいる。各々が自分のペースで活動を楽しんでいる様子がとても和やかに感じました。また、はじめは何をしようか迷っていた方も、となりの方に影響を受けて同じものを描いてみたり、ファシリテーターやスタッフから感想をもらって作品をブラッシュアップしていたりと、アートを通じて様々なコミュニケーションが生まれていたことがとても印象的でした。
私はあまり美術の分野には精通しておらず、ただモノづくりが好き、モノづくりを通じて人と関わることが好きというだけの人間なので、専門的な部分ではあまりお役に立てないのではないかと不安に思う部分もありましたが、制作の時間を共有する中でたくさんコミュニケーションをとることができ、皆さんの作品それぞれに普段考えていることや昔の思い出、たくさんの想いが詰まっていることを実感することができました。今回このような機会をいただき活動に携わることができたこと、また、参加者やスタッフの方々も含め素敵な人たちに出会うことができたことを何よりもうれしく思います。
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感想コメント寄稿:おりがみくん
レポート:高橋梨佳(NPO法人エイブル・アート・ジャパンスタッフ)