終了・報告

【レポート】アトリエつくるて2024③(9月21日開催)

このレポートは、9月21日に実施した「アトリエつくるて」の様子について、参加者の奏(かなで)さんが書きました。

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アトリエに参加して絵を描いている奏と申します。
「何のお仕事されているの?」と人から聞かれた時、「絵を描いています。」と言うと、何もしていない人と思われず格好がつきます。それは結構大きいことです。何ていうか、安心して自宅に、地域に住めます。

アトリエに参加して、たぶん5年ほどです。はじめの頃は人の中に出てくることが緊張で、みんなの前でいい絵を描かなくちゃと意気込んで来ていました。
それで、その後は何となく通っていた時もありました。そんな時を経て、今は絵を描く目的と同じくらい、人とおしゃべりしたり、友達や仲間ができたり、人と会えるなーと思って来ています。

“心の交流”。あの時、心通った。通ってた。と思う瞬間が増えてきて、今とてもうれしい。おしゃべりしなくても、心が通う時もあって、うれしい。
エイブルアートさんの様々な活動への参加が、私の人との交流の中心になっていて、アトリエはその一つです。

この間の9月のアトリエは、雨が降っていて、夏の終わりなのに寒めだった。でも部屋の中はぬくっぽくてみんなの熱気だったのかも。
みんな慣れてきたのかシーンとしていなくて、静かなおしゃべりがざわざわ聞こえていた。

あの日は、ファシリテーターのこずえさんとおしゃべりしていた。絵の話をしていた。絵は描かなかった。周りで二人の方が絵を描いていた。お二人とも乗り物の絵を描いていた。アトリエはたぶん何をしていてもいいんだと思う。

作ったり、描いたり、寝たり、おしゃべりして、おやつを食べて、みんなの絵とか作ったものを見る時間をする。
アトリエに来始めた頃は緊張をしていたんだと思う方も、この頃はしゃべりたいっていうのが感じられて、私はそれがうれしい。飲み物を飲みながらくねくね体操をしていたら、まねしてニコってしてくれた。
私は絵はよくわからないんだけれど、今日はそうやっておしゃべりできて、周りの人たちといいことがあってよかった。前回は友達と居られた。うれしかった。

見る時間は、正直に話す。何も描かなかった。って正直に言った。
持ってきていた“たくさんのふしぎ”の絵本を読んだ。人前で音読するなんて小中学生の私にはとても嫌な時間だったのに、今日は読めるって思っていた。「いい。」って言ってくれた。「クマよ」っていう星野道夫さんの絵本。
次は10月にスウプノアカデミアがあるから、何か読んでみたいって思っている。人前だけど、今の私なら、大丈夫。

アトリエの今後、こうなったらいいなあっていうのを思ってみた。
行きたい場所。行っておしゃべりできたりする場所になって、みんなの居場所になったらいいな。
ごはん作ったりして、みんなで食べて、工作したり、遊んだり、寝たりする。私もふらっと行ってごはん作るお手伝いしてもいいな。
居場所が必要、ほしい人、いると思う。別に絵が好きでなくてもいいよ。

レポート:奏

9月のアトリエの様子。乗り物の絵を描いていたふたりが机の対角線上に座り目が合っている

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