終了・報告

【レポート】アトリエつくるて2024②(8月31日開催)

このレポートは、8月31日に実施した「アトリエつくるて」の様子について、参加者の郷直宏(ごう・なおひろ)さんが書きました。

はじめに

「アトリエつくるて」は、就労支援事業所で紹介されて知りました。家で絵を描いていましたが、創作の集まりとして興味があり、2021年の秋くらいから参加しています。芸術、料理、花が好きです。
今年度から上杉コミュニティ・センターでの活動となっておりますが、会場に着くとおなじみの「かお」が見え、ほっとするものを感じます。

今日の流れを書いたホワイトボード
この日のホワイトボード。ファシリテーターのこずえさんの手描き。

自分の活動

今回は部屋の隅に置いてうちわであおぐと宙を舞うという江戸の郷土玩具の「ずぼんぼ 」を舞わせることと、それをあおぐうちわに絵を描こうと思いました。

ずぼんぼをうちわであおぐ様子
「ずぼんぼ」をうちわであおぐ様子

うちでつくった「ずぼんぼ」(本体は和紙で、足はしじみの貝殻!)をファシリテーターの佐竹さんやアトリエスタッフの伊藤さんとうちわであおぎましたが、なかなか宙を舞いません。足を短くしてもあまりうまくいきません。そこで、佐竹さんの助言により、新たに本体を包装紙で大きめにつくり、足は1円玉にしてみました。同じようにうちわであおぐと少し宙を舞い、心うれしくなりました。「ずぼんぼ」をいい大人たちが一心不乱にうちわであおぐ姿は可笑しかったかもしれません。

うちわには、昔、祖父が魚屋を開いていたことに思いをはせ、魚を描きました。
床で創作できる空間があり、ダンボールにテンペラクレヨンで絵を描き、重層的に描き重ねられた方がいて、感化され、うちわにそのクレヨンでいろんな色を使って描きました。
裏には当時の魚屋の名前をカタカナで書き、完成させました。

床で創作する大人の参加者
床で創作する大人たち
ダンボールのテンペラクレヨンの絵
ダンボールにテンペラクレヨンで描かれたほかの参加者さんの絵
うちわ
完成したうちわ

まわりの方の活動

机のない床のスペースでは、ダンボールに絵を描いている方のほか、2歳の男の子がお母さんやファシリテーターのこずえさんとテンペラクレヨンでのびのび描いたり、公園を眺めたりしていました。
今度絵を描く紙を楕円形に手でちぎっている方もおり、リラックスできていい空間だなぁと思いました。

外の景色を眺める親子とこずえさん
外の景色を眺めるみなさん
ちぎった楕円形の紙を持ってたつ参加者
楕円形にちぎった紙を見せている様子

初参加の学生さんの絵は、線と面が躍動していて動き出しそうだと感じました。通っている大学の文化祭で展覧会もするとのことです。
小鳥の図鑑を見ながらペンで絵を描く方の絵は、かわいらしい象形チックで色もキュートでした。

自分の絵を見せる参加者
初参加の学生さん
鳥の図鑑を見ながら描く様子
小鳥の図鑑を見ながら描く様子

1980年代から90年代初頭のバスの絵を描く方に、絵のことを尋ねるとうれしそうにお話されていて、温かい気持ちになりました。
パリオリンピックをイメージした絵を描いた方の細やかな表現は、細部がしっかり描かれているから全体が調和しているような印象を受けました。

バスの絵を描く人と談笑する筆者
バスの絵を描く方に話を聞いてみる
パラリンピックをイメージした絵を描いた人がみんなに見せている場面
パリオリンピックをイメージした絵

絵を描いた画用紙にテープを貼り、さらに描き加えていた少年の作品は色づかいがかわいいと思いました。
色鉛筆でいきものとたべものを描いた方は、あえて使う色を限定したそうですが、色彩が繊細で独自の「かたち」を確立しているようでした。

少年の作品
少年の作品
色鉛筆のたべものの作品
使う色を限定して描かれたいきものとたべものの絵

ほんわかした空間

アトリエつくるては、「つくる」こと「見る」ことを行う集まりとして、幅広い年代の方が参加されていて、普段そのような機会はあまりないため、貴重な「場」になっています。参加者の方々は、自分の好きな表現に没頭することやほかの方とお話しすることで、生き生きされているように見受けられます。また、参加者、ファシリテーター、スタッフ、ボランティアの方々の雰囲気がとてもよくて、毎回ほんわかとした空間だと感じています。

レポート:郷 直宏

床で集まる大人の参加者

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