終了・報告
報告レポート スウプノアカデミア2023「声と身体のワークショップ~声と踊りで表現しよう!」
- 開催日
- 2023年11月23日(木)
- 時間
- 14:00-16:00(13:40受付開始)
- 場所
- 青葉区中央市民センター2階 第 1 会議室
- 参加人数
- 合計14人
<参加者6人、付添者1人、ボランティア1人、見学者1人、講師1人、スタッフ4人>
- 概要
- 普段何気なく使っている声。その声と身体を使って遊んでみましょう。
新たな発見があるかも!今回は、テーマを設定したおっちょさんの「みんなで楽しく歌でつながりたい」という思いをきっかけに、まずはじめに誰でも参加できる声と身体を使った表現を楽しみます。
[ゲスト]渋谷裕子さん(ダンスワークショップファシリテーター)
[テーマ設定者]おっちょ さん
[プログラム担当者]伊藤光栄(プログラム担当者、NPO法人エイブル・アート・ジャパン)
■内容
1.ウォーミングアップ
まず最初の自己紹介で、「チラシには『好きな色の服を着て来てください』とありましたが…」というフリで、名前だけでなく、好きな色のこと、あるいは、すっかり色のことは頭になかったということ、あるいは服以外のお気に入りの紹介など、みんなが少しだけでも、自分のことを話すきっかけになりました。
そしてファシリテーターの誘導で準備運動。最初は座ったままで、次に席を立ってと、少しずつ体を動かしていきました。次は人と目を合わせてお辞儀をするワークから始まり、その次に「な〜」というたった一音に心をこめて声を発するワークと、順を追ったワークで、自然に周りの人と関わることへの緊張が緩み、和やかな雰囲気ができあがりました。
2.声を出す
提案者のおっちょさんのリードで、体を動かしながら声を出すことに慣れていきました。発声練習も「まあすてき!」という、まさに素敵な言葉で繰り返しやれたのも、いいな〜と思いました。
次に好きなところに座って、自分の気持ちのいい声を出したり、小さい声から大きい声へと変化をつけたり、みんなが声を出すことに抵抗がなくなり、いろんな声を楽しみ始めました。
3.体を動かす
最初は手だけで円を描くことから始まり、肘で、足で、そして頭でと、体のいろんなところを使って、体を大きく動かしました。普段使わない部分も動かしました。いろいろな部分を動かしたことで、体が温まってきました。
4.音と体の動きの連動
2人1組をくみ、パートナーと交代で、相手の体の動きに合わせて声を出す、次は逆にして、相手の声に合わせて体を動かす、という試みにチャレンジしました。
部屋の電気を消して、持ち込んだ電球だけをつけると、外の景色とあいまって落ち着く雰囲気になりました。
相手の動きをよく見たり、あるいは相手の声をききながら反応し、次を予測したりと、パートナーに対する感覚が研ぎ澄まされる感じでした。
最後に、パートナーをチェンジして、即興で声に合わせてパフォーマンスを、みんなの前で発表しました。いきなりぶっつけ本番でしたが、それぞれの個性が光り、面白いパフォーマンスが次々に生まれました。
(写真では、左の青い服の人が声を発し、その声に合わせて赤い服の人が体を動かしています)
■スウプノレコード(参加者の感じたことや学んだこと)
・声や身体を使った表現の自由さがおもしろいと思いました。表現の方法も個人、個人で違っていて、その違いもおもしろいと思いました。
・すみません、むずかしかったです。ですが、いいことを思いつきました。ありがとうございました。
・相手が出す音をよく聴かなければ動くことができなかったので、相手の声を意識することで相手を理解しようという意思につながったと思う。
・どんな表現でもOKという場から生まれる創造的な音や形がおもしろかったです。
・声を出す、体を動かす事で開放感や爽快感を味わう事が出来て、とても楽しかったです。発表はどこのペアも面白く、個性があふれてるなと感じました。
■プログラムの振り返り
・武田美法(レポート担当、参加者の付添者)
今回参加した人たちは、初対面の人どうしだったり、ダンスや歌に慣れていない人も多かったりで、みんな最初は緊張した感じがありましたが、体と声を段階を追って少しずつ動かして準備ができ、また人との関わりもに無理ない感じで慣れていって、最後は人前で即興パフォーマンスを発表するまでに至り、なんだかとても体も心も軽やかに楽しめました。全体的に、どの参加者に対しても温かい眼差しとなごやかな雰囲気があり、それも誰もがリラックスして取り組めた大きな要素かなと思いました。
・おっちょさん(テーマ設定者)
私はこのワークショップを通して障がいがある方もそうでない方でも皆さんと歌や声で繋がれたのがとても嬉しかったです。
最初は私自身もダンスと声だけでどう進めていけるか想像ができませんでした。けれども、今回のゲストとして一緒にサポートしてくださった渋谷さんのおかげでみんなと表現することはもちろんのことですが、自分もまた改めて歌の楽しさを学べたワークショップでした。
渋谷さん本当にありがとうございました♪
・渋谷裕子さん(ダンスワークショップファシリテーター)
はじめにメールでファシリテーターのオファーを頂いた時点では「どうなることやら・・?」と思いましたが、初回の打合せでおっちょさんから次から次へとアイディアを受け取っていくうちに、自分1人では辿り着けないゴールに到着しそうなワークショップになりそうだ!とワクワクしました。当日はいろんな人が参加してくれ、一人一人が思い思いに声、身体を使い、そこに想像力を加えて遊んでくれていました。そこに無理はなく、ご自分のできる範囲で、でもいつもよりちょっと冒険しながら楽しんでくれていたように思います。日常で何気なく使っているご自分の声、身体、そして想像や思考への新しい発見となっていたら嬉しいです。私にとっても発見の多い貴重な時間となりました。ありがとうございました。
・伊藤光栄(プログラム担当、NPO法人エイブル・アート・ジャパン)
はじめのテーマは、「声と身体のワークショップ」とは少し違うものでした。「まなびを考える会」で、テーマ設定者のおっちょさんが話した思いは「楽しく歌でつながりたい」でした。最初の話し合いで、具体的にどんなことをしたいかを聞き、徐々にこのテーマが見えてきたという経緯があります。
そして、このワークショップを実現するために、どんなファシリテーターが必要かについて、事務局内で検討しました。そこで、ダンスのファシリテーターとして経験豊富な渋谷裕子さんをお呼びすることになりました。舞台で歌をうたっていたり、日常的に障害のある人と一緒に活動したりしているというのも選ぶポイントでした。
渋谷さんとおっちょさんとの会議は対面で2回行いました。1回目は渋谷さんがおっちょさんのイメージをヒアリングしながら、プログラムのアイデアを出して形にし、2回目は渋谷さんの提案するプログラムの説明を聞くことと内容の微調整をしました。
何回も話しあいをしてうまれたプログラムの内容も、当日は渋谷さんがその場の空気感や参加者の状況に合わせて、心地よい内容へと変化させていきました(※)。
今回のプログラムは、企画から実施まで、対話や身体表現などのコミュニケーションを通して、相手を受け入れながら変化していくという手法によって心地よい空間となり、参加者からも、おっちょさんにとっても満足度の高いプログラムとなったと思います。
※後半、3種類のワークショップをやる予定だったが、1番目の相手の声や歌にあわせて自分の身体を動かすという内容で参加者の反応がよく、この内容を軸に展開させたプログラムに変更して行った。
レポート:武田美法(参加者の付添者)