終了・報告

報告レポート スウプノアカデミア2023「お酒とのつきあい方をまなぼう!」

開催日
2023年09月30日(土)
時間
午後2時30分〜4時30分 (受付:午後 2 時 15 分から)
場所
TFU Cafeteria Olive
参加者
参加人数 合計21人
<参加者10人、付添者2人、ボランティア4人、スタッフ5人>
概要
楽しくお酒を飲んでみたいけど、「お酒ってそもそも何?」「フラフラにならない程度に飲み
たいな~」という思いからこの企画は決まりました。
今回は、お酒と上手につきあうために、実際にレストランを使って、お酒にまつわるお話を
きいて、お酒をたのんだり、たのまなかったりします。後半は、お酒を楽しむ3つの場面を体
験します。 ★お酒とのつきあい失敗談のトークコーナーも!★

■内容

今回のテーマ設定の愛さんは、今年二十歳になってお酒が飲めるようになりました。でも、「まだ家族としか飲んだことがないので、適量を知りながら、友達などと楽しく飲んでみたい」という思いがあり、この企画を通して、お酒について学ぶことにしました。お食事と飲み物が用意されたレストランで、参加者の皆さんとお酒がある空間を一緒に囲みながら、様々な楽しみ方や気を付けたいことを体験していきました。

1.ミニ講座「お酒の良いところ・悪いところを知ろう」

はじめに、プログラム担当者による「お酒にまつわるミニ講座」でお酒について学びました。ビールやワイン、ウィスキーなどの適量を知るために、実際にコップに注ぎ、どのくらいの量になるのかを見比べてみました。またお酒に含まれるアルコールの量によって、脳のまひ状態=酔っ払う程度が異なることを知りました。

愛さんと同年代の参加者からは「説明を聞くとこわくなった」という声もあがり、お酒に対して気を付けようと意識する気持ちも大切だと感じました。お酒の良いところとして「食欲増進やストレス緩和、良好な人間関係を保つ」面もあることを知り、飲み物を注文する際には、アルコール少なめの甘いお酒を選ぶといった、自分に合ったお酒を頼む様子が見られました。

2.3つのシチュエーションでロールプレイ体験「もしもこんな飲み会があったら?」

プログラム後半は、お酒の楽しみ方を疑似体験するロールプレイを行いました。3つのテーブルに分かれて、3つの場面設定をしました。
1つ目は「家族や親せき同士」という設定です。お正月に久しぶりに集まったことにして、近況報告や最近の楽しかった出来事を語らいました。
2つ目は「友人や仲間同士」という設定です。サークルのイベントの打ち上げということにして、先輩・後輩の関係性を演じ分けながら、後輩役の参加者は困っていることを相談し、先輩役の参加者は何かアドバイスをしてみました。お酒が入ると、普段なかなか話せない悩み事を共有する機会となりますね。
3つ目は「同僚や職場関係」という設定です。忘年会ということで、上司の武勇伝を聞いたり、部下の愚痴が飛び出したり、部長役の参加者からは「今日は無礼講だから!」という雰囲気作りもあり、盛り上がりを見せました。それぞれのシチュエーションに合わせて、お酒や食事と共に楽しい時間を過ごすことができました。

3.「お酒の失敗談」~人生の先輩たちから学ぼう~

プログラム最後は、お酒のツマミになる話ということで、愛さんがプレゼンターとなって、参加者から「お酒の失敗談」をお聞きしました。飲みすぎて終電を逃して高額な料金を支払ってタクシーで帰るはめになった方には「おもしろいで賞」が認定されました。先輩にすすめられてたくさん飲んで失敗した方には「おどろきで賞」が認定されました。

最後は、愛さんが音頭を取って「一本締め」をして閉会しました。

■スウプノレコード(参加者の感じたことや学んだこと)

・私はもしかしたらお酒をあまり飲めないかもしれませんが、もっと親しい人だともう少しお酒が進むかもしれないということが分かりました。同年代の大学生さんとお話ができて楽しかったです。
・個人ではなく、グループで食べたり飲んだりできたのが、とても楽しかった。
・皆さんとお酒の場でお話をするシーンを経験して、リラックスするシーンと緊張するシーンがあると気が付きました。特に、上司がいる席では楽しさもあるのですが、何も言ったりできないなと分かりました。
・楽しく飲食するだけでなく、実際の場面を体験しながらだったので、自分の生活に活かせそうだな~と感じました。これからもほどほどにお酒をたしなみたいです。
・お酒に対してあまり良い印象がなかったのですが、わかりやすく、そして楽しく、お酒のことが学べたと思います。来年から社会人になるので、今回のこのような機会はとても貴重なものでした。
・無意識にやっていたお酒の作法みたいなものを、参加したみなさんと改めて考えることで、これは本当に必要なのかな?と考えることができました。

■テーマ設定者とプログラム担当者の振り返り

・武田愛さん(テーマ設定)
今回はじめて私が企画を設定してやってみました。ロールプレイングを通して、食事や会話をして、とても楽しく良い機会となりました。コロナ禍でなかなかできなかったので、こうやって失敗談などたくさん知れて良かったです。ありがとうございました。

・村上渉(プログラム担当/宮城教育大学大学院)
お酒を楽しむということを学習してきたという方は滅多にいないのではないかと思うのです。人はみな、大人になる過程の中で、家族や友人といった周囲の環境から、お酒の味や酔うという経験を通して学ぶのだと思います。今回のテーマは、モラトリアムで培われる人生のアクセントとなるお酒との出合いを学ぶ貴重な時間となったと感じました。
参加者同士がお酒の有無にかかわらず、同じ空間と時間を共有して、語り合う場を楽しむこと、つまり雑談することで打ち解け合う様子がとても印象的でした。お酒の力を過信したり警戒したりすることは、経験豊富な方でもなかなか難しいことだと思います。お酒を飲んでも飲まなくても、お酒そのものではなく、そこからつながる人との出合いに大きな価値があるのだと気付かされたプログラムでした。

レポート:村上渉(SOUPボランティア/宮城教育大学大学院)

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