終了・報告

報告レポート「芸術銀河2023出前講座」みんなの音楽祭in松岩公民館

開催日
2023年11月19日(日)
時間
13:30~15:00
場所
松岩公民館1階 アリーナ(気仙沼市松崎浦田143-1)
出演者
フレンズドリーム、ハイブリッジ―ズ
概要
「芸術銀河」とは、文化芸術による共生社会の実現を図り、県民に対し広く芸術に触れる機会を提供するために行われるものです。SOUPではこの「芸術銀河」の機会を活用して、宮城県内の3地域でアウトリーチ事業を行いました。そのうち、この事業では、地域の生涯学習活動に障害のある人も積極的に参加できるように、社会教育施設(公民館)と福祉施設、団体等と連携して企画実施しました。だれもが参加しやすいプログラムとして、芸術文化活動/音楽を軸に企画を構成しました。

主催:みやぎ県民文化創造の祭典実行委員会(芸術銀河)
共催:松岩公民館、特定非営利活動法人エイブル・アート・ジャパン
協力:社会福祉法人洗心会、宮城県教育委員会

■内 容

松岩公民館で音楽イベントを企画運営しました。ゲストにフレンズドリーム(視覚障害のある佐藤厚&利恵子によるアコーディオンと歌唱、仙台市在住)、ハイブリッジーズ(気仙沼発のファミリーバンドで昭和歌謡と気仙沼を題材としたオリジナル曲)を迎えました。

■参加者:

合計94人(内、入場者81人、出演者6人、スタッフ7人)
※障害のある人の内訳はカウントできず。社会福祉法人洗心会の4施設から障害のある人が、支援員とともに参加。

■サポート体制

松岩公民館職員1人、宮城県職員3人、地域コーディネーター1人、エイブル・アート・ジャパンスタッフ2人

■準備の様子

宮城県生涯学習課との事前の調査・現地ヒアリングにより、気仙沼市では障害のある人が生涯学習に参加できる機会が少ないことが明らかになりました。特記として、気仙沼特別支援学校の卒業生の8割以上は、社会福祉法人洗心会に通所・入所しますが、福祉施設の人手不足や障害福祉サービスの提供量の課題(移動支援のなかでは余暇活動が認められにくい)により、なかなか余暇活動を自力で組み立てることが難しいという課題がありました。そのため、地域の生涯学習の場を担う社会教育施設である公民館で、企画をたて、そこに障害のある人たちが参加する音楽イベントを実施することとしました。
地域コーディネーターとして、元特別支援学校教員で、地域の中学校の校長の経験もある伊東毅浩さんに、松岩公民館や社会福祉法人、特別支援学校、青年学級等への連携をお願いし、多くの障害のある人の参加を促しました。その結果、4施設から参加があり、支援員が障害のある人を会場まで送迎し参加に至ることができました。また、公民館によく通う地域の人や、アコーディオンサークルの方たちがゲストへの関心から参加しました。

■当日の様子

当日は、①フレンズドリーム、②ハイブリッジーズ、③フレンズドリーム&ハイブリッジーズ、という出番で開催。間に、フレンズドリームのバックバンドをハイブリッジーズが担当したり、地域コーディネーターが歌を歌ったりしました。

①では自身の障害のことをテーマにしたオリジナル楽曲や、全世代で楽しめるような「ちょんまげメドレー(時代劇メドレー)」「ジブリメドレー」などの曲目を選択し、②では昭和歌謡とオリジナル楽曲を選曲して、派手な衣装も用いながら、会場を盛り上げました。

アンケート結果から「とても満足」が約5割、「満足」が約3.5割と、高い満足度であったことがうかがえます。障害のある人も席から立って踊ったり、手拍子をしたりして楽しんでいました。アンケートにある福祉関係者の声からも障害のある人が楽しんでいたことがわかります。地域の人も昭和歌謡で手拍子したり、一緒に口付さんだりして楽しんでいました。

③では、来場者と一緒に歌える曲目を選択して、来場者と一緒に歌って楽しんでいました。

なお、司会は松岩公民館館長・小松英紀さんが担当して、軽快なトークを交えながら音楽会を進行しました。音楽会の後、館長は振り返りのコメントとして「『公民館』は誰もが気軽に行ける施設であることを多くの方々に感じていただけたと思います。今後も障害の有無に関わらず、人々に寄り添う公民館であり続けます」と話しました。

■アンケート結果(回答数32件)

感想(一部)
・楽しかった サイコー!! またやってほしい(障害のある人ご本人)
・ジブリの曲など、障害のある方にも理解できるメロディーでよかった。利用者の方も楽しめていたと思います。(福祉関係者)
・とてもよかった。うでをあげるポーズが楽しかった。(障害のある人ご本人)
・利用者と楽しめることができてとても良かったです。音楽は言葉以上に伝わるものがあると思います。(福祉関係者)
・とても感動し、自分でも施設と音楽を通し盛り上げたいと思いました。(福祉関係者)
・しぜんに涙が出て感動しました。ありがとうございました。(アコーディオンサークル)
・音楽は心を豊かにしてくれます。ありがとうございました。

■当日の写真

▼松岩公民館に音響機材を設営して、81人の来場者が障害のあるなしにかかわらず集まりました

▼「フレンズドリーム」によるアコーディオン演奏や歌。会場へのガイドはエイブル・アート・ジャパンのスタッフが担当しました

▼松岩公民館館長が軽快なトークを挟みながら進行を担当しました

▼気仙沼の4人家族により構成される「ハイブリッジ―ズ」の演奏
昭和歌謡を中心に演奏して、会場を盛り上げました

▼「フレンズドリーム」と「ハイブリッジ―ズ」のコラボ演奏も!
歌詞を表示して、来場者と一緒に歌う楽曲もありました

▼ステージの演奏で踊る来場者
障害のある人もない人も一緒に楽しみました

▼イベント終了後に撮影した集合写真

レポート:伊藤光栄(NPO法人エイブル・アート・ジャパン)

バナー:障害者芸術文化活動普及支援事業(厚生労働省)
バナー:ABLE ART JAPAN
バナー:Able Art Company