終了・報告

【レポート】2022年度のアトリエつくるて~新しい試みを振り返って~

はじめに

こんにちは!アトリエつくるてのファシリテーターをしております、しょうじこずえです。今年度も大変お世話になりました。
そしてご参加下さった皆さま、一度きりの方も、たま~にの方も、皆勤賞の方も本当にありがとうございました!
今年は全7回(+番外編)の開催の中で、新しい試みがいくつかございました。
小さな体験スペースを設置してみたり「みんなでつくるよ広場の人形劇!」と同時開催の機会があったり、、どんな変化が生まれるのかドキドキワクワクしながら皆さんと過ごさせていただきました。
私の振り返りでは、そんな新しい試み部分をピックアップしてご紹介していけたらと思います。

第2回・9/10(土)「布であそぼうコーナー」

この日は、通常のつくる時間と併用して私が普段の制作時に使用する「布」(主にハギレ)を活用できるスペースを設置させて頂きました。
各々好きなタイミングで見に来られたり、触れてみたり、切ってみたり、貼ってみたり。。
興味がある方とは、「布貼り絵」と言うハギレを細かく貼り合わせていく手法を一緒に体験いたしました。

たくさんの布が机に並んだ布であそぼうコーナーの写真

私の作る流れを観察されながらも普段扱われている画材と合わせて、オリジナリティ溢れる作品を生み出し楽しまれている方もおられ、普段のつくるてでは見ることのできない小さな化学反応が見られた機会でもありました。

第3回・10/15(土) 「みんなでつくるよ広場の人形劇!」と同時開催 part1

普段は別々の日程で開催されている「アトリエつくるて」と「みんなでつくるよ広場の人形劇!」
同じ日時に開催することで、新規の参加者さんがどちらも気軽に行き来し体験できることや、普段各々で活動されている参加者さんにはお互いどんな活動をしているのかな?とのぞきに行ったり体験ができる機会を設けることで、その後の活動の刺激になれればと、今回初開催となりました。
人形劇のゲストファシリテーターとして造形家の本川東洋子さんがお越し下さり、紙袋を使って片手で動かす人形を作成する機会が設けられました。
参加者さんたちは、いつもどおりテーブルに向き合って創作する方もおりつつ本川さんと一緒に人形を作成する方もおられました。
作る時間が終わってからは舞台上で作った人形を実際動かし演じる方や作品を紹介する参加者さんもいらっしゃいました。

人形劇の舞台に立って描いた絵について話す参加者の写真

台本はなく、少し緊張気味な参加者さんも人形や作品を通して「こんにちは~」「はじめまして~」と言葉が掛け合っており、微笑ましい時間が流れておりました。
そのあとの「みる時間」では私も人形を片手に「今日はどんな作品が生まれましたか?」「本日はいかがでしたか?」と声をかけさせていただきました。

人形を通してお話しすると、いつも以上に皆さんが笑顔でご自身の作品を話されている姿が印象的で、中には人形を作られたご夫婦が人形を通じて互いに会話をされていた場面もあり、その時間というのは感動すら覚えるものがありました。

第4回・11/19(土) 「みんなでつくるよ広場の人形劇!」と同時開催 part2

今回も人形劇の方ではゲストファシリテーターをお招きし、舞台美術家の大沢佐智子さんと共に人形劇場をつくるワークショップの時間が設けられました。
自分の「手」を紙や段ボールに型取り、絵の具やクレヨンで塗ったり、紙を切り貼りして作られた色とりどりの作品を舞台にどんどん装飾していく内容でした。その時間を楽しむ方もおりつつ、前回に比べご自身の制作に集中されている方が多くみられた印象でした。

「みる時間」ではファシリテーターが何か言葉で促さなくとも、自然とご自身の内面部分と作品を照らし合わせながら言葉にされている方が多く、胸を熱くさせられる時間が何度かございました。
回を重ねる毎に、参加者さんお一人お一人に穏やかな変化が生まれているように感じられた、印象的な回だったように感じました。

人形劇の参加者も集まってアトリエ参加者の発表を聞いている写真

番外編・3/19(日) 「作品を飾る練習会」

これまでの活動で作られてきた作品を額装し、飾って、鑑賞する時間を設けさせていただきました。
額装する上で作品を守る為に必要な“マット”を、作品とのバランスを見て計算したりカットするといった普段は経験できない部分を参加者さんと体験いたしました。サポートスタッフとして「even(イーブン)」の京増さんにご協力いただきました。ありがとうございました。

「こうかな?」「ああかな?」と声を掛け合いながら、皆さん一生懸命取り組まれておりました。無事に形にできた時は自然と拍手が起こり、ホッとされた参加者さんのお顔が印象的でした。

自分でカットしたマット紙に絵をあてている参加者の写真

マットが入ることで作品にメリハリが生まれ、より素敵でかっこいい作品たちが飾られていきました。参加者さんも写真を撮られたり、参加者さん同士で話が弾み、自然な「みる時間」がそこで開催されておりました。
額装された作品たちは、つくるて会場であるエイブル・アート・ジャパンのフリースペースに継続して飾られ、3月末まで作品展として『つくるてgallery』が開催されました。

つくるてギャラリーの写真

こういった流れで、昨年にはない新しい試みを通し、受け身であった参加者さんが主体的に動かれたり、参加者さん同士で新しい制作の提案が生まれ実践されたりとファシリテーターやスタッフも嬉しくビックリする機会にいくつも遭遇できた1年間でありました。
これからも、互いが無理なく、心が落ち着く温度感で活動が継続していけたらいいなあと願っております。

ありがとうございました。

レポート:しょうじこずえ(アトリエつくるてファシリテーター)

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