終了・報告

《 スウプノアカデミア 》「みんなで”まなび”を考える」報告レポート

開催日
2021年06月13日(日)
時間
13:30-15:30
場所
せんだいメディアテーク7階 会議室a・b
〒980-0821 宮城県仙台市青葉区春日町2-1
テーマ
みんなで”まなび”を考える
概要
1.プログラムの説明(10分)
2.まなびを考えるワーク(40分)
(10分休憩)
3.SOUPから”まなび”の提案(20分)
4.意見交換(40分)

NPO法人エイブル・アート・ジャパンは、今年度より開催する『せんだい・まなびやネットワーク構築モデル事業』の目標の一つに「障害のある方の主体的な参加を尊重し、生涯学習の内容や学び方を考える」を挙げています。そこで、学習プログラムの開催前に本人たちを交えた検討会を開催しました。
 まず、『2.まなびを考えるワーク』では、文部科学省の障害者学習支援推進室が配布している『だれでもいつでも学べる社会へ わかりやすい版』という資料を参考に作成したワークシートを用いて、参加者自身の興味関心や目標を聞くことにしました。
 次に、事務局スタッフが考えたプログラム内容を提案しました。そして、最後に意見交換として、ワークシートで考えた項目を参考にしながら、このプログラムに対する意見をきました。

まなびを考えるワーク

ワークシートを用いたのは、文字に起こすことでゆっくり考える時間を設けて、できるだけ多くの意見を引き出すのがねらいです。ワークシートでは、次のような内容の質問をしています。
 ①自分の得意なことや好きなことはなにか。
 ②今後、やってみたい、チャレンジしてみたいことはなにか。
 ③嫌いなことや苦手なことはなにか。


これらは、自分の興味関心を見つけ、それに関連する目標を探し、自分にとってその目標の壁となるものに何があるのかを考える、ような一連の流れになっています。当日はこれらを設問ごとに発表し、それについて質問をする形をとりました。



 以下のような回答がでました。
————————————————————————————————————————
① 自分の得意なことや好きなことはなにか。
SNSでの交流、カフェに行くこと、寝ること、美味しいご飯を食べること、
絵を描くこと、テレビゲームをすること、読書、施設へ通うこと

② 今後、やってみたい、チャレンジしてみたいことはなにか。
他人の目を気にしないくらしをしたい、自ら脚本を作って劇をしたい、
オンラインゲームをしたい、絵を海外に広めたい、
インターネットカフェに行きたい、施設のメンバーになって毎日通いたい

③嫌いなことや苦手なことはなにか。
人と深く付き合うこと、音やにおい、家族以外の人と接すること
————————————————————————————————————————
 ワークシートの流れもあって、2人からは①と②が関連した回答が出ました。また、こちらから質問をして深く掘り下げると、くらしの中で何に困っているのかが見える発言もありました。SNSの人間関係で困っているなど、自分から気づいたことを話をしてくれる場面もありました。

SOUPから”まなび”の提案

このプログラム運営に関わる4人のメンバーで考えたプログラム7つを紹介しました。「コロなかワークシート」「身だしなみ」「防災」「お金のこと」「いまさら知りたい伊達政宗」「おしゃれ」「インターネットの使い方」です。

意見交換

企画中のプログラムについての資料を配布し、それぞれの概要を説明した上で参加者との意見交換を行いました。
 
 まず、会場や日時について尋ねると、場所は問題なさそうだったが、時間については行動しやすい時間があるので、その時間帯が良いという方もいました。
 続いて内容についてです。資料を見ながら、どの内容が楽しそうか、または興味があるかを聞きました。
 結果は「こころとからだ」「くらしと社会」に関わることに興味のある方が多かったです。全員が選んでいる内容もありました。それは、演劇を通じて人間関係や恋愛について学ぶという講座です。他に、老後までの貯蓄や資産運用などお金に関する話題にも興味があるようでした。逆に文化、歴史に関わることは興味が少なかったようです。

活動をふりかえって

参加者本人たちの意見が聞けて、今後の活動を企画する上での参考になることが多くありました。今後、意見交換で出た意見を踏まえてプログラムを検討していきたいです。
 また、今回は少ない参加者数でしたので、反省を踏まえて改善しながら、今年の活動を通して小さなグループやコミュニティに出向いていってデータを集めていこうと思います。

スタッフの気づきと感想

・活動とは別に参加者本人とゆっくり話し合う場を設けることで、アンケートや立ち聞きだけではわかりにくい意見を聞くことができたと思います。
・参加者それぞれに得意不得意があると改めて実感できました。一方的にこちらが企画するのではなく、本人たちの意見・要望に基づいて企画を検討していく大切さを感じました。
・参加者の家族やスタッフも同じようにアンケートを行ったことで、家族の思い・願いも聞くことができてよかったです。
・記入に時間のかかる参加者に配慮して書き終わるのを待ったり、体調不良による部屋の途中離席を自由にさせたりするなど運営上での細かい配慮を行えたのは良かったと思います。
・「説明が長すぎるとわからなくなる」と指摘をいただいたので説明や発言のに工夫が必要だと思った。

バナー:障害者芸術文化活動普及支援事業(厚生労働省)
バナー:ABLE ART JAPAN
バナー:Able Art Company