じょうほうスウプ

学校における表現活動、3カ所を巡って(その3)

石巻市立青葉中学校

訪問日
2017年2月6日(月)
所在地
宮城県石巻市門脇字一番谷地51-10

仙台市立としては唯一の支援学校である仙台市立鶴谷特別支援学校での芸術活動の見学、意見交換。
平成28年4月に開校したばかりで、宮城県内全域を通学区とし、3年間の全寮制を特徴とした宮城県立支援学校女川高等学園での美術活動の様子。
支援学校の生徒と普通学校の生徒がともに総合文化部で活動している石巻市立青葉中学校の現在。
それぞれに異なる特徴を持った、3校を訪問してのレポート。

アンケートの回答に、支援学級の生徒と普通学級の生徒がともに総合文化部で活動しているという記載があったこと、また教員の美術に対する思いや個別支援の様子が詳細に記載されていたことから訪問先に選びました。

石巻市立青葉中学校は、石巻市立釜小学校と学区が同じため、生徒は9年間をともに過ごし、障害のあるなしに関わらず互いが顔を良く知っている関係といいます。川綱先生は、美術大学を卒業後、特別支援教育に関わるようになって7年で、そのうち石巻市立青葉中学校での勤務は3年。美術の時間を担当し、また普通学級と支援学級の生徒がともに参加する総合文化部の顧問も務めています。

支援学級は、知的障害学級「あおば」、情緒学級(自閉症)「わかば」の二教室に分かれていますが、朝の会、給食、帰りの会は合同で行います。週に一度、学習指導要領により表現活動(美術の時間)を行っていました。支援学級の生徒は文化祭でのステージ演奏や作品の展示、福祉団体主催の展示会や音楽会などで積極的に発表を行っています。また、支援学級の生徒のみ、週二回、作業教育として、石巻市内の特別支援教育共同実習所に通い、職業訓練の基本をうけているそうです。「共同実習所と学校での時間、両方あることが大事だと思います」と先生は述べました。

「学校を卒業した後、生徒の表現活動の環境を維持するために、社会にどのような機関や機会があればいいと思いますか」と尋ねたところ、「芸術は生徒がいきいきとした人生を歩み、将来生きがいにもつながっていくもの。身につけた力は将来的にも役立ち、人を喜ばせるものにつながります。人を助けることができるというのは本人や家族にとっても大きな希望です。しかし、卒業後に芸術文化活動を行う機会がなくなる生徒もいるので、学校以後の生徒の活動をサポートする機関と連携する必要性を感じます」と応えました。

(学校3カ所の文:佐々木えりな/柴崎由美子/高橋創一)

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