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障害者芸術活動支援センター@宮城

お知らせ

【舞台裏レポート】きいて、みて、しって、オンライン見本市。

2021.03.30    その他

2021年2月7日〜9日にオンライン開催した「第3回 障害のある人と芸術文化活動に関する大見本市:きいて、みて、しって、オンライン見本市。」。

この報告では、どのような考え方と手順でオンライン見本市を計画し、取り組みをすすめてきたかを紹介します。障害者芸術活動支援センターとしても、新たなチャレンジでしたが、その試行錯誤を公開します。今後の支援センターの研修、ネットワーク化、また活動の参加者となる障害のある人・家族・支援者に情報を届ける際の可能性を検討するものになれば幸いです。

【オンライン開催の背景と私たちの問題意識】

この見本市は、2018年度と2019年度の過去2回、仙台市の生涯学習施設「せんだいメディアテーク」1階オープンスクエアで実施してきました。4日間で2,500人の来場者を迎える事業に成長していましたが、2020年の新型コロナウイルス感染症による福祉の現場、公共施設などの感染防止への意識は大変強かったため、夏にはオンライン開催に踏み切る決断をしました。

その決断を後押しする出来事のひとつに、6月に実施した関係者のネットワーク会議がありました。一部の参加者はすでにオンラインでの会議参加が可能となっており、事務局の私たちが思っていた以上に、見本市をオンライン開催する可能性を語ってくれました。例えば、オンライン開催は、感染防止に資する、遠隔から参加できる、時間と旅費交通費を節約できる、コロナ禍でも多くの人と交流できる、オンラインに対する壁が低くなる、などです。

また、社会で現実に生じているデジタル格差(障害のある人、支援者、福祉施設等)をしっかり認識し、それを解消していく働きかけもすることが2020年度の支援センターの役割でもあるという議論もありました。

【舞台裏のご紹介】

●オンライン会議システムを活用した「SOUPの研修」の実施

(2020年11月13日、19日、30日 計3回実施)

国内にある先駆的活動をオンラインでつなぎ、その現場をまわるツアーとディスカッションの構成にしました。昨年度のアンケートから、重度の障害のある人たちの活動に関する研修、アートを通じた仕事づくりに関する研修、地域に障害のある人たちの存在を魅力的に伝えるための研修、といったニーズがありましたので、その先進事例を全国の実践団体から選び実施しました。

詳しくは

また、もうひとつのねらいとして、オンライン見本市に登場してほしい「新しい宮城・仙台の活動」団体には、この研修に参加してもらい、もし自分が活動を紹介する側になったらどうみえるのかを考え、感じてもらうための機会にしました。発表予定者だけでなく、アートディレクション、配信テクニカルディレクションの方たちにも参加してもらい、福祉現場の状況や想定できるトラブル防止、また演出方法などの検証のきっかけとしました。

●オンライン見本市への発表者を対象にした技術講習会

(2020年12月22日 実施)

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オンライン見本市の配信を担当する濱田直樹さん(株式会社KUNK)と、見本市で「ひらけSOUP」と名付けた[宮城の活動×全国の活動のクロストーク]の出演者が集まり講習会を実施しました。

研修では、(1)インターネットの通信速度と推奨する環境について、(2)参加する機器としてパソコンとスマートフォンの特性や使い分け、(3)発表側の視点として①明るさ、②背景、③カメラ目線、④音声、⑤動画を使用する場合のコツ、⑥Zoomにおける設定の特記、についての説明がありました。関係者によるオンライン会議とは異なり、多くの人にみていただくための客観的な視点が学びになったと思います。

また、一般的に大きな福祉施設では、通信網が入っている場所とそうではない場所があり、通信速度も場所により大きく異なることがわかりました。どこから、どの方法(有線LAN、Wifi等)で回線をつなぐのか、具体的にどの速度だといいのか、それをチェックするためのアプリは何か、という具体的なアドバイスもありました。

その後、参加者から、計画している60分の配信コンテンツの構成案を話していただき、そこにアドバイスを加え、1月に開催する最終打ち合わせまでに、配信環境を整える、資料を作成するという、ふたつの宿題が提出され研修を終了しました。

●オンライン見本市の発表者最終打ち合わせ

(2021年1月 計11回実施)

[宮城の活動×全国の活動のクロストーク]である「ひらけSOUP」では、宮城県の発表者が当日に向けた資料を画面共有し、ゲストとともに当日の流れを確認しました。打ち合わせのなかで、自然に発表者、ゲスト、進行者の関係が深まり、当日も互いに準備を重ねてきた仲間として対話できた様子は、この準備の成果だったと思います。

オンライン見本市の開催に備え、このほか、「かたるSOUP」、「まなぶSOUP」、「スペシャルコンテンツ」も含め、合計11回の打ち合わせを行いました。

●Zoomお試し会

(2021年1月 計2回実施)

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初めてのオンライン開催にあわせ、参加する方たち向けにも準備をしました。具体的には、Zoomの使い方や相談ができる「Zoomお試し会」と呼ぶもので、計2回実施しました。

参加者は合計9名と決して多くはありませんでしたが、障害のある人本人、障害者の生涯学習支援に関わりたいと考えている元会社員、普段はオンライン会議にアクセスすることができないからと行政職員、などが参加しました。デジタル格差の意外な現状を知ることもできました。

参加者のみなさんがスムーズにZoomウェビナーに参加していたこと、ある人は積極的にQ&Aで発言していたことが大きな収穫だったと思っています。

●オンラインでの情報保障の取り組み

障害者の生涯学習に関する「まなぶSOUP」では、情報保障に関する取組みを行いました。具体的には手話通訳、パソコン要約筆記を加えて開催しました。発表者、進行は事前に資料を準備し、手話通訳およびパソコン要約筆記チームに共有することで、当日を迎えました。

また、質疑応答の時間にはQ&Aに文字入力がしにくい人たち(見えない人、識字が難しい人など)を想定し、口語による質問時間を設けるなど、どのように運営すればオンラインにおいても、多様な参加者とともに学びの時間をもてるのか、注力し運営しました。

事後のアンケートから、とくにオンライン開催に関するご意見を紹介します。

  • オンライン開催で、感染の心配なく参加でき、移動の時間が必要なく、子供の預け先を手配しないで済み、とても助かりました。オンラインでなければ、参加出来ませんでした。
  • リモートだと息子と一緒の空間で聴けるので、私としてはとても助かりました。この様な機会がまたあると良いです。
  • 遠方なのでオンライン開催は有難いです。また是非参加したいです。
  • Zoomで自宅でリラックスして参加できよかった。例年だと仙台まで行かねばならず時間の制約もあり最後まで話を聴くことは難しかったと思う。内容も今まさに自分が知りたいことで、しかも詳しく説明いただき今後の我が子の将来をイメージできました。
  • とても興味深い内容でわかり易く、長時間でしたが限目毎の時間の区切りがちょうど良かった。
  • 子育て中の保護者が自宅で気兼ねに視聴出来る良さと、丸1日だと難しさもあり、何日かに分けてもらえると良かった。

【見本市のアーカイブをどうぞご覧ください】

第3回 障害のある人と芸術文化活動に関する大見本市
きいて、みて、しって、オンライン見本市。

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