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障害者芸術活動支援センター@宮城

お知らせ

SOUPの研修2020報告:働き方と生き方を創り出す工場/長崎

2021.03.13    報告

プログラムA 働き方と生き方を創り出す工場

長崎・MINATOMACHI FACTORY(ミナトマチファクトリー)にみる、障害のある人たちの表現と仕事づくり

2020年11月13日(金)13:30-15:30
案内役:石丸徹郎さん(ミナトマチファクトリー代表)、坂井佳代さん(同スタッフ)
概要紹介30分、現場見学ツアー60分、質疑応答30分

【テーマ】

障害のある人が、クリエイターやデザイナーとして活躍できる場を作り、企業と協働しながら、商品の企画・開発から、デザイン、製造、販売まで一貫して取り組む就労継続支援B型の事業所。依頼を受けた仕事ごとにチームを編成し、生まれた対価は障害のある人の工賃になる。デザインを媒介として、人と社会がつながる仕組みを構築しながら、表現から仕事を生み、生き方を生む現場を、ライブ中継を通じて見学します。

【参加者】

10名および1事業所(就労支援B型事業所)
アートを生かして商品化、仕事づくりに取り組みたい福祉施設、デザイナー等
宮城県からは仙台市、石巻市、涌谷町、県外からは東京都、大阪市、京都市から参加

【概要】

代表の石丸さんより、前半はスライドを交えた概要説明。「一人ひとりの幸せをデザイン」することを理念に、障害特性をいかして活動の機会をつくる。

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佐世保「ミナトマチファクトリー」(就労継続支援B型事業所)は、「働き方をつくりだす工場」がコンセプト。コワーキングスペースがあり、イラスト制作、キャラクター制作、ロゴデザイン、商品のデザイン、データの処理、プリントなどを行う。「佐世保布小物製作所」(就労継続支援B型事業所)は、縫製の技術を学んだ平均10人/日のメンバーが、月2,000~3,000点の商品を縫製し一般市場に出荷している。「ホットライフ」(就労移行支援施設)は、パソコンスキルをベースに職業訓練を提供し、最近はECサイトの管理も行う。これに加えて、株式会社アンドベーシックは、モノづくりにデザインの要素を盛り込むために設立、福祉型工房と協働する仕組みだ。総じて、創作を仕事にかえていく。地域産業にしっかり食い込み、参加する。また長崎という観光をベースとした都市の利点を生かして、おもに「お土産」を中心としたプロダクトへの落とし込みと営業を徹底している。

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後半は、携帯電話のカメラを通じてふたつの工房をめぐる。
「ミナトマチファクトリー」では、布やさまざまな媒体に印刷できるUVプリンター、その印刷作業に従事する障害のある人が実際に働く姿を見学した。またデザイン業務に従事する人、包装などのパッケージ作業を担当する人もいた。集中を高めることができる個室のようなスペースと、開放的なオープンスペースの部屋の様子も知ることができた。

別の場所に拠点を構える「佐世保布小物製作所」もめぐる。石丸さんの携帯から、スタンバイしている酒井さんの携帯へ、瞬時に中継のバトンが渡された。
プリントされた布や紙が「布小物製作所」にて、カードケース、ポーチ、マスクなどに縫製されている。利用者は縫製の練習をしながら、技術があがると次第に製品の縫製に取り組むという。

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地域の水族館などの土産物屋に陳列される、布小物の製品群は圧巻だ。ショールーム機能のスペースもある。小ロットでの生産にも応じ、個人ブランドなどのニーズにも応える。

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ディスカッションの時間では、卸先の現状(水族館、動物園、美術館等)、営業活動の実際、利用者の工賃の現状や企業への就労移行の様子、創作物に関する契約状況、オンラインを介したワークショップや商品づくりの新しい試み、についても意見交換した。

長崎県は宮城県からは遠く、なかなか行けない地域だが、臨場感あふれるオンライン見学やオンライン上の協業の可能性を通じて、参加者のモチベーションもアップしたのではないだろうか。
(レポート:柴崎由美子)

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【SOUPの研修とは?】

なぜ、福祉の現場で芸術文化活動に取り組むのでしょうか。障害のある人の芸術文化活動は、作品を創造して発表することにとどまらず、さまざまな可能性を秘めています。
例えば、芸術文化活動が生活リズムを整え、精神衛生によりよく影響する視点【健康と福祉】、芸術文化活動が自己成長を促し生涯学習のひとつとなる視点【教育/社会教育】、芸術文化活動そのものや価値が経済的対価となる視点【経済/産業】、芸術文化活動が障害のある人たちが持つ力、作品の魅力、またその人と作品を取り巻く人たちのエネルギーから障害のある人たちの社会的イメージを変え、役割を変え、地域社会の変化を促すことに影響する視点【社会】、などです。こうした視点について、現場を訪問しながら考え学ぶ、それがSOUPの研修です。

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