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障害者芸術活動支援センター@宮城

お知らせ

〔SOUPの研修 報告③〕からだをじっくり味わってみる

2018.03.31    報告

SOUP(障害者芸術活動支援センター@宮城)は、人材育成研修として「創造する力をつくるSOUPの研修」を
2018年1月〜3月に開催しています。身体表現ファシリテータ養成ワークショップのひとつとして、石巻レインボーハウスにて実施された「からだをじっくり味わってみる」報告レポートです。

◯からだをじっくり味わってみる
石巻地域若者サポートステーションの利用者対象のワークショップに参加し、一緒に体験しました。
その後、どんなことが起きたのか、どんなことを大切にしているかなど、ファシリテータと参加者で振り返りを行いました。
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日 時 : 2018年3月12日(月) 13:30~15:00 ワークショップ
              15:00~16:00 振り返りディスカッション
会 場 : 石巻レインボーハウス(石巻市中里2-2-3)
参加者 :16名
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[WS]
会場は石巻レインボーハウス。参加者の中には、仙台や登米、東京といった他地域から参加している方も多数。
石巻地域若者サポートステーション利用者をはじめ、ケアを行う方々やアーティスト等、合計で約20名の方々にご参加いただきました。
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今回のWSでファシリテーターを務めるのは、振付家・ダンサーの砂連尾 理さん。
まずは、自己紹介など行いつつ、身体をほぐすためにストレッチ、ウォーミングアップを行います。
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基礎的なストレッチで身体の各所を伸ばしたり、ほぐしたりします。身体を緊張させると、つまり力が入っているとうまく伸ばせません。「頑張らないで」やることがポイントのようです。もちろん、息も止めたりはせずに、ゆっくり呼吸します。
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砂連尾さんが背面で肘同士を触れてみせます。それをみんなで実践してみます。
前の方では肘同士触れることが可能そうですが、後ろではなかなか難しいようです。
これも、ポイントは「脱力」。力が入っていると、かえって体が緊張してしまいます。
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二人組になって、一方の体を揺らしてほぐします。
まずは、手をゆらゆら揺らしていきます。揺らされる側(寝ている側)は脱力して相手に身を委ねます。
手の次は肘、肩へと揺れを伝播させていきます。
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体をほぐした後は、二人で並んで、横にゆらゆらと揺れます。曰く、「海底のワカメになる」。
なるべく相手に身を委ね、隣人の呼吸や体温といった感覚を感じ取りながら揺れていきます。
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人数を増やして一列になってみます。
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最終的には全員で。
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次は、手と手が触れる寸前の距離で相手を感じ取ります。
続けて、手から拡充して身体中で相手と触れずに、感覚を寄せ合います。
集中した時間が続きます。
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ぬいぐるみを媒介にしてコミュニケーションを図る人も。
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[振り返り]
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振り返りでは、参加者から多様な感想が生まれました。
「脱力の仕方はそれぞれ異なる。自分本位で動かず、歩み寄ることの必要性を感じた」
「感覚を寄せ合うこと。自分から行くだけではなく、委ねたり待ったるすること」
「体を丁寧にほぐす大切さ」「身を委ねることの怖さ」「脱力の難しさ」
「からだで向き合うことの困難さ、そうしたものへの考慮がケアの視点につながる」
等など。
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「ファシリテーターと参加者の、指導する、される、という構造(トップダウン的な権力関係・一方的な関係)をどのように崩していくか、どのように身体をほぐしていくか」「無意識な領域に触れることの危険性」と砂連尾さん。
ワークの達成を目的にしてしまわないように配慮しつつ、ダンサーではない身体、他者に対しての身体をどう扱うか、が課題となります。

「ワークに参加したがらない参加者がいる場合は?」という問いに対しては、
「“その場”にいるという参加の仕方もある。“参加の仕方”をどう定義しているか。ファシリテーター自身が、そうした問いから学ぶところがある」と。

両者にとって安全性と信頼性のある“場”を作るためには、という問い。
「ファシリテーター自身がリラックスする、参加者が主体的に転がってしまうような感覚を」
「失敗しあえない社会環境をワークの場で解除すること」と砂連尾さん。
失敗の定義が“社会”と異なって良い場、そうした場を作る方法論を構築できれば、という意見も。
各々の問いや課題となることを確認・発見できた振り返りでした。


(文責:三澤)

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