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障害者芸術活動支援センター@宮城

お知らせ

【SOUP STAGE報告②】身体の声を聞くワークショップ

2017.11.08    報告

SOUPが今年度新たに取り組むダンスプログラムSOUP STAGEでは、
振付家・ダンサーの磯島未来さんとともに、半年をかけてワークショップを積み重ねながら2018年2月の本番に向けて作品を作っていきます。
ワークショップ第二弾として、10月に登米、大河原、仙台で実施した報告レポートです。

【1.身体の声を聞くワークショップ@登米市】
[日時]2017年10月19日(木)16:00〜18:00
[場所]登米市中田生涯学習センター
登米はNPO法人奏海の杜 みんなの広場にこま~るのメンバーに加え、2名ほど大人の方が初参加。
前回に引き続き、輪になってストレッチ→歩くと言う流れから。2回目ということもあってか、前回は子供達を見守ることに徹していたスタッフさんが積極的に参加する姿が見られました。

ちょっと休憩して次のワーク。「今までにない、新しい挨拶を開発したいです」と磯島さん。一同、ポカンとした表情。
「もし、初めて会う人で、言葉が通じないとしたらどういう風に挨拶しますか?」と続けると、参加者の1人が「ハロー」と英語で挨拶。「言葉使ってるじゃん!」とすかさず突っ込む磯島さん。

みんなどんなことをしたらいいか考えあぐねている中で、
「おでことおでこをぶっつける」「お互いの両腕を握り会う」「日本式あいさつ」などの動きが出てきました。
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誰かが動きを発明すると、みんながそれを真似してやってみます。
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「日本式あいさつ」では、挨拶する人同士向かい合ったときに、一体どっちが挨拶を繰り出すのか、という緊張感が印象的だった、というような声もありました。
誰かが開発した動きを、みんなでやってみる。すると最初に提案者がやった動きからは少しずれたり、思いも寄らないところに発見が生まれます。

1時間でにこま~るのメンバーは帰宅の時間。子供達に別れを告げて、残った大人の参加者2名とスタッフ、磯島さんでもう1ワーク。
「キャッチボール」と題されたそれは、1人をボールに見立て、別の人へと渡すもの。
この日は5人だったので4人の間で1人の人を回していきます。パスのボールになる人は、指示される方向へ成されるがままに身を預けます。
丁寧に寄り添って別の人に運ぶ人もいれば、ポンと強く押して受け渡すなど、パスの仕方も人それぞれ。
渡し方で「ボール」のスピードも変わるので、受けとる方もいろいろな受けとめ方が求められます。

全員が「ボール」になってみたところで、「この感覚で、もう一度歩きましょう。それで、どこかで止まらざるをえないなと思ったら止まってみてください」と磯島さん。
あくまで自分の意思で止まるのではなく、誰かに止められるような感覚で、と言うのがポイント。
パスされる感覚があったからこそ、「誰かに止められる」ように立ち止まることができました。

前回よりも時間が延び、より濃密な体験になりました。


【2.身体の声を聞くワークショップ@大河原町】
[日時]2017年10月21日10:00〜12:00
[場所]えずこホール 平土間ホール
この日は平土間ホールという、すこし大きな会場での実施。参加者も前回とは若干名かわりながらも、合計20人近くで賑やかなワークショップです。
輪になってストレッチ⇢手足ブラブラまではこちらも前回までと同じ。
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そして、歩くワークショップに入ります。大河原では初めてやった歩くワークショップ。「みんなとぶつからないようにでもできるだけ早く歩く」というルールの上で、段々と歩いていいエリアを狭めていきます。
最後は20人がひしめき合うような状態に。

次のワークの間の休憩中。参加者の子どもの2人が、ものすごい速さでアルプス一万尺をはじめました。
それを見ていた磯島さんが、「ちょっと、それって、一人でできたりする?」と2人に提案。相手がいない「エア・アルプス一万尺」をやってもらいます。
その動きを見ながら、他の参加者に「みんなでできる新しいダンスの振り付けを考えたいなと思っているんですが、このアルプス一万尺の動き、みなさん出来ますか?」と提案。
すると「あれ、うちの地域でやってたやつと違う」という方が。どうやら地域によって振り付けにも差があるみたいです。
中でもよりシンプルな動きを採用し、全員で輪になって「エア・アルプス一万尺」。どうやったら手拍子のリズムにはまるか、参加者からどんどん提案があります。
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誰かが「盆踊りみたい」といえば、「盆踊りの振り付けが染み付いてて新しいの覚えられない」というシニア層の声も。
慣れ親しんだ手遊びがあっという間に輪踊りになりました。
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最後は「夢の中の動きをやってみる」というワーク。これまたタイトルだけでは???
参加者は床に寝ます。磯島さんは「夢を見たら、その時の動きを自分の体でやってみてください。夢を見なかったら、動かなくてもいいです。」と指示。
ワークがスタートすると、それぞれが自分の見た夢で動き始めます。
動きそのものが何を示すのかは傍からではわかりませんが、あとで話を聞いてみると、懐かしい友人と話をしていた、ダンス教室の練習をしていたら救急車に運ばれた、「誰かに追い掛け回されたんだけど、合ってみたらその人はいい人だった」などなど、参加者それぞれがユニークな夢をみていたようです。中には「よく眠れました」と、ほんとに寝てしまった人もいるようでした。


【3.身体の声を聞くワークショップ@仙台市】
[日時]2017年10月22日14:00〜16:00
[場所]せんだい演劇工房10-BOX box-5

この日の仙台は台風が近づいてきており、参加者も前回より少なめ。
「しっとりとやっていきたいと思います」という磯島さん。まずはゆったりストレッチして、再び「歩く」のワークショップ。
この日は歩く他に、「止まる」「座る」「寝転がる」というアクションをすることが参加者には許されます。
「歩いてみましょう」のかけ声で始まるワークショップはどの地域でも毎回やっているのですが、いつもそれぞれ微妙にルールが増えたり別だったりして、歩くこと一つでこんなにもバリエーションがあるのか!と驚かされます。
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続いて登米でもやった「新しい挨拶を開発する」を仙台でも実施。こちらでは身体の動きだけでなく声も使っていました。
3種類の動きを作ったら、出会った人と挨拶をしてみます。お互い、どの動きを使ってくるのかわからない間や緊張感を楽しんでいました。
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その後は二人組のペアを作って、「お互いの身体を観察し、その人が自分に憑依したと思って動いてみてください」という指示が。
身体を触ったり、話を聞いたりしながら相手に憑依することを試みます。
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「こうしなくてはいけない、という決まりはありません。わたしもどうなるかわからない。憑依したと言って身体の特徴を真似したりする必要もありません。自分の思ったようにやってみてください」という言葉が印象的。
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最後は「みなさん、生まれて初めてで、まだ手足の動かし方もわからない、そういう状態で立ち上がる、ということをやってみてください。」というお題が。
“手足の動かし方がわからない”状態なので当然時間がかかります。
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立ち上がるのには、10分以上かかっていました。
その合間を動き回って、山路さんが即興演奏。スーパーボールや養生テープなど、日常にあるものが発する音を使った演奏。
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三地域を通じて先月よりも、言葉やお題を与え、解釈を自由に任せて参加者がそこから何を生み出すのか、というワークが多いのが印象的でした。

文責:一般社団法人NOOK 中村大地


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