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障害者の芸術活動支援モデル事業@宮城

お知らせ

【SOUP報告4】美術と手話プロジェクト@宮城

2017.04.29    報告

人材育成研修
美術と手話プロジェクト@宮城

2017年2月4日(土)/宮城県美術館
対象者:きこえない人、きこえにくい人、きこえる人、
美術と手話プロジェクトに興味のある人、学生 ほか
ファシリテーター:齋 正弘(宮城県美術館教育普及部 学芸員)、
美術と手話プロジェクト

取り組みのねらい
聴覚障害のある人は、モノをみているから美術鑑賞におけるサポートは必要が
ないと考えられがちです。
しかし、美術と手話プロジェクトの活動を丁寧にうかがったところ、手話を
第一言語としている人たちにとって、美術館におけるギャラリートークには
なかなか手話がつかないこと、チケット売り場でみたい・知りたい美術展の
情報が得にくいこと、使用する言語が異なるため掲示された作品解説などは
理解が難しい・言葉の意味がよくわからないことなど、さまざまな困難がある
ことがわかりました。
そこで、聴覚障害のある人たちと美術鑑賞の体験を共有し、
芸術文化を楽しもう!という気運醸成を宮城県で図ろうと、
美術と手話プロジェクトとのワークショップ型研修を実施しました。

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実施内容
SOUPの事務局は美術と手話プロジェクトと情報交換を重ね、
3カ月間にわたるリサーチで活動に参加するキーパーソンたちを訪問し、
仲間を集めました。聴覚障害のある人、手話に関心がある人、
聴覚障害のある人たちの社会参加に関心のある人で教員や
NPOの方などが集まりました。
当日は教育普及の学芸員が常駐する創作室に集まり、
美術と手話プロジェクト代表の西岡克浩さんが手話で活動紹介を行い、
美術たんけん@宮城県美術館と題して常設展を鑑賞。
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学芸員は全身全霊で解説をし、手話通訳者もそれに続きました。
きこえない人はみることで情報を得るため、解説する人と作品を隣り合わせにすること、
解説する人は手話による解説が終わるまで待つこと、
じっくり作品をみてから説明をきいてもう一度作品をみることなど、
美術館側も参加者側もさまざまな工夫と相互理解により、
注意深く丁寧に美術たんけんをすすめました。
ハイライトは、美術館自慢のカンディンスキーの作品4点の鑑賞と、
佐藤忠良をめぐる3人の彫刻家の作品鑑賞でした。
銅像作品1点を触り、盲聾の参加者も直接鑑賞できる時間もありました。


成果
鑑賞のあとに参加者と感想を共有し、そこで「作品が動いた」と語った参加者がいました。それは、学芸員とともにみる・手話でみる・真剣にみることで、作品が初めて生き生きと立ち上がり、まるで動いたようにみえてきた、ということを説明した言葉でした。また「今まではただ一人で作品をみつめていたが、今日の体験から、学芸員の役割、美術館の役割を知った。手話(または口語)で対話しながら作品をみてもいいんだと体験できた。今度はきこえない子どもたちを連れて来たい」と語った人もいました。聴覚障害のある人たちが感じる社会モデルとしての“障害”が明らかになり、「美術」「美術館」「手話」「きこえない人」というキーワードに関心を持つ人たちそれぞれが宿題を心にとめた時間となりました。美術館という場であれ、表現する場づくりをする側であれ、教育の場であれ、この宿題をしっかりと次の行動に結ぶことが、この研修の成果になると考えます。

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